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欧州の今後 「今日の覚書」から転載


僕等は既に知っている。取付騒ぎの芽がギリシャからポルトガルやスペインに拡大して、5月上旬、ユーロ圏の金融市場に急ブレーキがかかり、この時代に入って初めての大規模な国家債務不履行の引き金を引きそうになっている、ということを。数日後、ジャン=クロード・トリシェECB総裁は「第二次世界大戦、そして恐らく第一次世界大戦以降、最も困難な状況」について語った。

ECBの最新の月刊機関紙は、驚くべき情報を幾つか伝えた。
「ユーロ圏の大規模且つ複雑な銀行グループが2つ以上同時にデフォルトする確率が大きく上昇した」

5月7日、EULIBORデリバティブとEONIAスワップ・マーケットのストレスによって測定する、ECBの「システミック・リスク・インジケーター」が史上最高水準まで急上昇し、2008年9月のリーマン・ブラザーズ危機のピーク値を突破したことを明らかにしたのだ。
これは不安になる告白だ。
どの「大規模且つ複雑が銀行グループ」が破綻寸前だって?
その答えは、ストレス・テストの結果が発表される7月末に明らかになるかもしれない。
ドイチェ・バンクのヨセフ・アッカーマン総裁が「非常に、非常に危険」と表した結果発表だ。


また、EUが7,500億ユーロの「衝撃と畏怖」EU防衛基金で信頼性を完全回復することに失敗した今は、すなわち、出来る限りのことを全てをやりつくした後は、これまでより安全なのだろうか?
これこそが、先週、金が1オンス1,258ドルという史上最高値へと高騰した背景に在る、深い不安なのである。


ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は金曜日、ロシア、フィリピン、カザフスタン、ベネズエラの中央銀行が金を買い入れており、サウジアラビアの金融当局が金準備を1億4,300万トンから3億2,300万トンに「上方修正」したと伝えた。
この金争奪戦にテーマがあるとすれば、それは国際通貨制度が解体しつつあるのではないか、という恐れである。
または、別の言い方をすれば、金そのものが、究極のセーフヘイヴンでありベンチマーク通貨としての、歴史的役割を取り戻しつつあるということだ。


インフレはこれが全て終わるまでにあり得るデフォルト反応かもしれないが、大手の投資家を心配させている原因がインフレでないことは確かだ。
米国のコアCPIは1960年代中盤以降最低水準にまで落ち込んでいる。
ニクソン・カーター時代のガス抜き的な金価格高騰とは異なり、今回のラリーは1930年代を髣髴とさせるものだ。
これはデフレ・ストレスの前兆だ。


キャピタル・エコノミクスの計算によれば、米国のM3は過去3ヶ月間年率7.6%で減少している。
2年債の金利は0.71%だ。
この経済は借金による破滅寸前だ。

ソシエテ・ジェネラルのアルバート・エドワーズ氏によれば、大西洋地域は全面デフレまで後一歩…第九圏の「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」というわけだ。
そのような事態は実現するかもしれない。
米国経済のECRI景気先行指数は、半世紀ぶり最も急激なペースで落ち込んでおり、45週移動平均まで下げた。
最新の値は-5.70と、ウォール街がロールオーバーを始めてクラッシュした2007年下旬に達したレベルだ。
FRBも米国財務省も当時、米国経済が既に不況に入っていることに気付いていなかった。
公式の成長モデルは甚だしく間違っていたのである。

グラスキン・シェフのデイヴィッド・ローゼンバーグ氏は、アナリストは再び「居眠り運転中」だと語った。
バルチック海運指数(BDI)は古典的なトリプル・トップを形成した後、がっくりと落ち込んだ。
米国の鉄道輸送の回復も止まっているようで、輸送量は未だに2008年6月から10.5%落ち込んだままである。


5月の全米住宅建設業者協会(NABH)の「住宅市場指数」は、2009年初旬の落ち込み以降最も低い値に下がった。
RealtyTracによれば、住宅の差し押さえが史上最高に上った。
先月は更に323,000世帯が家を差し押さえられた。
「出口はまだまだ遠い」と同社は述べた。

米国が二番底に突入したのか、それとも、今後12ヶ月間も「成長不振」を耐え続けるだけなのか、それは学術的問題だ。
ヨーロッパの場合、既に南部ヨーロッパを飲み込んだデフレの底なし沼から、ユーロ圏を引っ張り出すことが出来るのは、持続的な世界的ブームだけだ。

先週、スペインは10年債を売り切るために、ドイツ・ブントよりも220ベーシス・ポイントという史上最高に近い金利スプレッドを払わなければならなかった。
ギリシャが3月に支払っていた金利とほぼ同じだ。
スペイン中央銀行は議会に非公開ブリーフィングを行ったが、リークされたブリーフィング記録は、スペイン企業がイースター以降、資本市場から締め出されていることを明らかにした。
スペインの政府、議会、銀行、企業の対外債務が合わせて1.5兆ユーロ、GDPの147%もあること、そして、そのうち6,000億ユーロを今年中にロールオーバーしなければならないことを考えれば、これは自己治癒することのない危機だ。

投資家は入札によって、EUは現金ともっともな理由によって、ユーロ救済の口上を裏付けることが出来る、との考えを示した。
ドイツ連立政権はギリシャ救済への世論の怒りで致命的ダメージを負い、今にも崩壊しそうになっている。
極右で大衆迎合的なヘールト・ウィルダース党首は、突如としてオランダ議会の第二勢力となった。
ベルギー総選挙では、フランダースでフランドル地方の分離独立派が勝利したところだ。
かつてないほど減少した、本国での混乱と予算削減に直面するドイツ圏債権者グループが、かつてないほど増加した、財政難のラテン圏債務者グループの肩代わりをし続ける可能性は、日を追うごとに小さくなっている。


フィッチによれば、ECBは危機の悪化を阻止するために、「数千億ユーロ」の債券を買い入れなければならない。
ブンデスバンクのアクセル・ヴェーバー総裁が、第一回目の買い入れを既に「安定への脅威」とみなしていることから、ドイツはそのような動きが全面量的緩和に進展することを死に物狂いで阻止しようとすると考えて良いだろう。
危機が悪化するなかで、チュートン勢とラテン・ヨーロッパ勢の境界線沿いでの流血沙汰は続くだろう。

しかし、いずれにせよ、市場は既に前進している。
金融刺激もデバリュエーションもなしに、ヨーロッパの半分で賃金カットを実施する、というEUの戦略は上手く行かないのではないか、と市場は疑っているのだ。
そのような政策は税収を破綻させ、国家を債務デフレのスパイラルに突き落とす危険がある。
あたかも誰も彼も1930年代の教訓を忘れたかのようだ。


ギリシャの公共負債は、IMF-EUの救済策の下で、GDPの120%から150%に増加するだろう。
これは無駄に残酷だ。
ロシアのアレクセイ・クドリン財務相が言うとおり、ギリシャの「ミニ・デフォルト」は避けられなくなった。

ヘルマン・ヴァン・ロンプイ欧州理事会議長は、EMUは各国を死の罠に誘い込んだと認めた。
「睡眠薬、ドラッグのようだった。我々は根底に潜む問題に気付かなかった」とロンプイ議長は言った。

まだロンプイ議長が認めていないことがある。
それはユーロ発足後に(ユーロが発足したために)拡大した南北間の不均衡は、北部が融資を増やしても、南部を不況に追い込んでも是正不可能だということである。
この脊髄反射的で自滅的な政策が破滅まで実施される前に、政治的時限爆弾の導火線は尽きるだろう。
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