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破たん連鎖のユーロドミノ、行き着く果ては通貨分裂(ブルームバーグ)

 11月16日(ブルームバーグ):次はどの国だろうか。最初はギリシャが倒れた。今はアイルランドが欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に救済される瀬戸際にある。

  アイルランド救済が現実になれば、危機の伝染が食い止められ、ユーロ圏の基盤は強まり、共通通貨ユーロはこれで安泰だという心強いコメントが数多く飛び交うことだろう。プロジェクト「欧州」の重要性について、壮大な美辞麗句をたっぷり聞かされるはずだ。投機家に対する厳しい断罪が大陸中に鳴り響くだろう。

  これらに耳を貸してはいけない。ユーロは破たんマシンになってしまった。市場がアイルランドを片付けたら、次はポルトガルへ、スペインへと移っていくだけだ。その先にはイタリアとフランスが控えている。ドミノ効果で次から次へと破たんの連鎖が続き、ユーロが分裂するまでドミノ倒しは止まらないだろう。

  アイルランド危機はユーロにとって、ギリシャ危機よりもはるかに深刻だ。かつてケルトの虎と呼ばれたアイルランドを救うのは今や、同国経済を救出するという他のユーロ圏諸国の明確な約束以外にない。救済が現実になることは疑いの余地がない。アイルランドの財政に対する信頼を立て直すために何百億ユーロもの資金が投じられるだろう。   それにしても、ユーロを信じる者にとって、なぜこのような事態になったか説明するのはとても難しい。ギリシャはうまくごまかしてユーロに加わった。ユーロ圏は決してギリシャを仲間に入れるべきではなかった。入れてしまった以上は、迅速に改革を進めなければ脱退させると言い渡しておくべきだった。

             優等生

  アイルランドにこれは当てはまらない。アイルランドは過去20年にわたって、最も成功した世界経済の優等生の一つだった。アイルランド政府は放漫財政におぼれる浪費家ではなかった。危機に見舞われた時も、ギリシャのように現実から逃避したりせず、想像し得る限りの緊縮財政措置をとり、外部に支援を求めることなく問題を自力で解決するべく全力を尽くした。

  要するに、問題はアイルランドではなく、ユーロなのだ。この理屈から逃れることはできない。そして、問題が共通通貨ユーロにあるなら、危機はアイルランドで終わらない。

  次はどこか。まず考えられるのはポルトガルだ。

  ポルトガルの2009年財政赤字は国内総生産(GDP)の9.3%だった。これはアイルランド、ギリシャ、スペインに次いで高い割合。政府はこれを10年に7.3%まで減らす計画だが、達成できるかどうかは疑わしい。国債利回りは多くの投資家がこれを疑問視していることを示唆している。先週のブルームバーグ・ニュースの調査では、世界の投資家の38%が、ポルトガルがデフォルト(債務不履行)に陥る公算が大きいと答えた。

            スペイン

  そしてその次はどこだろうか。スペインが安全だと考える根拠はない。同国の今年の財政赤字見通しは9.3%でユーロ圏2番目の高さだ。経済停滞の中で大きく削減することは極めて難しいだろう。

  同じ理屈から、イタリアを標的にしない理由もない。イタリアは少なくとも他の地中海諸国に比べては財政赤字を抑えてきたおかげで、今までのところ攻撃の対象に浮上しなかった。しかし同国は過去の過剰支出の遺産である巨額の累積債務を抱えている。さらに、イタリア経済はユーロ採用以来、ひどい状態が続いている。

  フランスはどうだろうか。多くのユーロ圏周辺諸国に比べて経済が強いことは事実だ。しかしかなり控えめな年金改革に対する先月の抗議行動は、時代遅れでコスト高の社会システムにフランスほど縛られている国がないことを鮮明にした。ギリシャ人の方がまだ、変化に対して柔軟なくらいだ。フランスが永久にレーダーの外にいられると思うのは間違いだろう。

           モルガン・スタンレー

  モルガン・スタンレーは先週、投資家向け文書で「ポルトガルはさまざまな構造問題に直面している」と指摘した。この文書はどの国が次に救済を必要とするかについてのリポートだった。「ギリシャでは最大の問題は財政規律の欠如だ。スペインでは与信にあおられた住宅ブームからの転落が最大の問題。アイルランドも同様だが、これに大き過ぎる銀行セクターの問題が加わる」とリポートは分析した。

  それぞれの国で、金融の信頼を崩壊させる引き金は別々だろう。しかし根本にある原因は1つだ。ユーロが導入された時、共通通貨を使うことによって大きく異なる経済が収斂(しゅうれん)すると考えられていた。それによって、欧州中央銀行(ECB)がすべてのユーロ圏諸国に共通の金融政策を実行できるようになるはずだった。

  これは興味深い理論だったが、結局間違っていたことが分かった。各国経済の相違は、単一の中央銀行がすべての国を管理するにはあまりにも大き過ぎた。政策金利はいつでも、どこでも不適切だった。問題の表れ方はさまざまだ。ギリシャでは財政危機に陥り、アイルランドでは銀行が崩壊した。スペインでは建設バブルが破裂し、ドイツは巨額の貿易黒字を積み上げた。しかし海に向かう川の水のように、矛盾はどこかから沸き出るものだ。   

           単純な真実

  今回の危機は国から国へと伝染していく。唯一の恒久的解決策は、ユーロ圏をもう少し管理可能な共通通貨圏へと分割することだ。ユーロ圏の指導者らがこの単純な真実を認めるまでは、救済を繰り返しても、攻撃の矛先が別の標的へと転じるだけだろう。(マシュー・リン)

(リン氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

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