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溜池1

Q1:現状をどう見るべきなのか?
現在の金融危機は、3 つのレベルに分けて考える必要があるだろう。
(1) 証券市場における株価の下落
(2) 金融市場における信用収縮
(3) そうした中で急速に進んでいる実体経済の悪化
このうち、もっとも目を引くのは(1)の株価であろう。しかし株価とは本来、上がれば
下がり、下がれば上がるものである。下がるだけ下がれば、どこか合理的な水準で買い手
が登場し、その時点で株価は底を打つはずである。そういう意味では、あまり心配は要ら
ないとも言える。
2
むしろ重要なのは、目に見えにくい(2)の金融市場であろう。銀行同士が疑心暗鬼とな
り、インターバンクの取引に中央銀行を介さなければならないという状態では、まとまっ
た金額を動かすこと事態が難しい。従って株を買う人もなかなか現れず、むしろキャッシ
ュを得るためにひたすら株を売るというパニックが続くことになる。
言い換えれば、(2)金融市場が安定しさえすれば、(1)証券市場も底値が見えてくるの
で、とにかく信用の回復が待たれるところである。そのために、米国では緊急経済安定化
法が成立し、欧州では金融機関の国有化や資本注入が相次ぐなど、さまざまな手が打たれ
ている。しかしながら、これにはいささか時間がかかるのではないだろうか。
ごく単純な理屈で恐縮だが、人間が深刻な危機を迎えたときは、しばらくは興奮が冷め
やらないものである。その代わり、時間がたてばかならず人は危機に慣れるし、飽きるし、
忘れるものである。「9/11」事件の直後は、誰もが飛行機に乗ることを怖れたけれども、
今でも「テロが怖いから飛行機には乗らない」という人はあまりいないだろう。
金融市場がこう着状態に陥っているという現状も、つきつめれば人間の心理の問題であ
るから、いつかかならず安定に向かうはずである。時間が経過するにつれて、人の心には
忘却という名の「癒し」が訪れる。とりあえずは、それを待つことが最良の方策であり、
それまでに新たなショックをむやみに与えないことが肝要といえよう。
問題は、信用収縮と株価下落が続く間に、(3)実体経済の悪化が進んでしまうことだ。
実体経済が冷え込んでしまうと、企業の収益力が低下するのでますます株価が下がり、企
業家の投資意欲やリスク許容度が低下してしまう。もちろん消費者マインドも悪化する。
つまり、(2)金融市場→(1)証券市場→(3)実体経済という負のサイクルが、今度は
(3)実体経済→(1)証券市場→(2)金融市場と逆流してしまうのだ。これこそ悪夢のシ
ナリオということになる。
米国議会では、財政出動による大型の景気対策が準備されつつあるが、これは(3)実
体経済にカンフル注射を打つことを意味する。この期に及んで、「財政の悪化が…」などと
いう心配は無用であろう。何よりも重要なのは、(2)金融市場が立ち直るための時間を稼
ぐことである。
Q2:現在の危機はあとどれくらい続くのか?
この問題に関するFAQ のひとつに、「今は危機の何合目か?」というものがある。筆者
はさしたる根拠はないものの、聞かれればとりあえず「5 合目」と答えている。他のエコ
ノミストたちも、同様の回答を行っているようだ。
しかるに、ここで富士山を上るときのような「5 合目」を考えるのは、大きな誤解を招
くことになってしまう。山を登るときは、登山者には頂上がちゃんと見えている。従って、
「この先はさらに険しくなるだろう。しかし、全体の半分くらいまで来たのだから、かな
らず頂上に就けるはずだ」といった計算が成り立つ。
3
ところが経済危機の場合は、むしろ真っ暗な深い穴の中を降りていくようなものである。
どこが大底であるかは、降りて行く者の目にはしかと見えない。そして、大底に到着した
としても、そのことはすぐには分からないし、ましてや達成感などは皆無であろう。むし
ろ、相場の大底とは、「関係者全員が絶望に打ちひしがれたとき」であることが多い。
幸か不幸か、日本経済は比較的近い過去にそういう状態を経験している。それは2003
年4 月28 日、日経平均が7607 円という最安値をつけた瞬間である。その時点で、「ホッと
した」などという人は誰も居なかっただろう。むしろ、「日本の株式市場は死んだ」「さら
に下値があるだろう」という暗澹たるムードであった。
最安値から1 ヶ月ほどたつと、世界的な株高が始まり、「理由が分からない」などといわ
れ始めた。6 月中旬に終値で9000 円をつけたときも、誰もが半信半疑であった。日本経済
がようやく金融不安を脱却するのは、2005 年4 月のペイオフ解禁を待たなければならなか
った。さらに同年9 月の「郵政選挙」を経て、ようやく株価は上離れしたのである。
「経済危機が5 合目」ということは、怖い思いをしながら手探りで深い穴を降りていく
過程で、「どうやら半分くらいは来たらしいが、この先はもっと怖い思いをしなければな
らない」とみずからに言い聞かせるべき瞬間と捉えるべきであろう。
日本の経験を強引に当てはめて考えると、今日の世界金融危機が「大底」をつけるまで
には半年~1 年程度。もちろんその時点では誰もそのことに気づかず、とはいえ緩やかな
回復が始まって、実体経済が立ち直る過程でさらに2 年から3 年を要する。「平常への回
帰」にはおおむね3~4 年程度かかる、と覚悟しておくのが順当ではないだろうか。
Q3:なぜこんなことになってしまったのか?
世間一般的には、投資銀行の強欲さがウォール街を狂わせ、国際金融の世界全体を暴走
させてしまったということになっている。
いわく、投資銀行のビジネスはレバレッジが高過ぎた。危険な商売を正当化するために、
頭のいい人たちが証券化などの手法を開発し、商業銀行や保険会社といった普通の金融機
関を巻き込んだ。そして、欲深な人たちが成功報酬制度で稼げるだけ稼ぎ、「後は野となれ」
と逃げてしまった。
いわば投資銀行=肉食動物の悪玉論であり、普通の金融機関=草食動物は被害者であっ
たということになる。勧善懲悪的で分かりやすい話である。その投資銀行がビジネスモデ
ルとして成り立たなくなり、とうとう全滅してしまった1。「ザマーミロ」という声が出て
も不思議はないところである。
その一方、筆者は草食動物の側にも問題があったと考えている。つまり、普通の金融機
関の行動パターンが変わってしまったところに問題があったのではないか。
1 1位のゴールドマンサックス、2位のモルガンスタンレーは持ち株会社化して銀行となり、3位のメリルリンチ
と5位のベアスターンズは買収され、4位のリーマンブラザーズは破綻した。
4
本来、銀行というものは、人を見てカネを貸す職業である。なぜなら、カネを借りた人
がカネを返すかどうかは、本質的にグレーだからだ。しかし、グレーな貸し出しを増やす
には限界がある。相手をしっかり見定め、ちゃんとカネを返すか、仕事がうまくいってい
るかどうかを見張る必要があり、それはかなり面倒な作業である。手っ取り早く業容を拡
大するためには、グレーを白か黒にデジタル化したいところである。
金融の証券化とは、まさしくグレーを白にデジタル化する作業であった。住宅ローンを
1 件ずつ精査するのは割に合わない。そこで100 件まとめて、貸し倒れが5%くらいあると
して、利回りはこれくらい、格付けはこれくらいと商品化し、第三者に売り飛ばしてしま
う。そしてB/S から消してしまう。
それでは住宅価格が下がったときに困るではないか、という声が顧客から出る。そこで
今度は、他の金融商品と一緒にしてCDO を組成することを思いつく。新興国の債券やら
航空機リースの債権やら、他の商品を組み合わせることで、商品全体の値段が下がるリス
クは思い切り小さくなる。もっともこの作業のために、昨年夏に「サブプライム」問題が
浮上したところ、あらゆるCDO の値段が下落してしまったのだが。
あるいは、自分がカネを貸している先の企業のCDS を買う。これで相手が倒産しても大
丈夫ということになり、相手先企業の与信などという面倒な作業は不要になる。これもグ
レーが白になるマジックといえよう。「人を見てカネを貸す」なんてアナログな商売をして
いたのでは、こうはいかない。
もっともCDS という商品は、あまりの手軽さのために急拡大し、今では想定元本が54
兆ドルにもなってしまった。そんな中で、実際にリーマンブラザーズのような大企業が吹
っ飛んでしまうと、それによる支払いがあまりにも巨額になってしまう。しかもCDS は基
本的にプロ同士の相対取引であるから、情報開示もあまりされていない2。まさしく「金融
版大量破壊兵器」(ウォーレン・バフェット)なのである。
こんな風に、証券化を通じてお手軽な信用拡大を進めてしまった結果、誰もが自分のリ
スクをコントロールできなくなっていた。なにしろ、自分が貸した相手のことを見ていな
いのだから、今さら「人を見てカネを貸す」という基本には戻れない。アナログの仕事を
デジタルに変えるのは簡単だが、それを逆に戻すのはとても難しいのである。
Q4:なぜ今の事態を予測できなかったのか?
おそらく後世の人は怪訝に感じることであろう。「2008 年10 月、NY 株価暴落」を、事
前に予測した人があまりいなかったことについてである3。
2 複数の企業が何重にもCDSを発行しあっているので、ネットで計算すると意外と大きな金額にはならないとい
う説もある。
3 あらゆる悲観派エコノミストの予想を超えて事態は悪化しており、当たったと言えるのは「万年恐慌論者」だ
けである。が、これは「壊れた時計も日に二度は正しい」の類である。
5

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モノラインまた

<Execution risk?>
Depfaを傘下に持つHypo Real Estateに対して、ECB・Bundesbank・民間の銀行団で350億ユーロの信用枠を設定する案が先週にEUによって承認されていたが、週末になって民間の銀行団がこの案を撤回してしまった。民間の銀行団は「現在代替案を検討中」としているが、”救済案・国有化案の実行リスク(execution risk)”を意識せざるを得ない出来事になってしまった。Hypo Real Estate側は、同社が非常に厳しい状況にあることを認識して欲しいと、半ば脅しともとれるようなコメントを出しているが、果たして速やかに実効性のある代替案がでてくるのだろうか。

CitigroupによるWachoviaの買収も、金曜日にWells Fargoの横槍りが入り、新聞報道では公的資金なしのパッケージを提案したWells Fargoが優位とされていたが、NY地裁はCitigroupに独占交渉権を与えたようだ。Wells Fargoの案はWachoviaの資産についてのTaxメリットを最大に活用していることから、公的資金を使わないといっても税収が減るという意味で実質的には大きな差はないのかもしれない。いずれにしても、話が長引いて"execution"が滞ると、市場センチメントにとって悪材料でしかないように思う。

<その他欧州金融機関>
オランダ政府がFortis Bank NVと保険部門を100%取得したとのこと。預金者や債券保有者にはポジティブと思われるが、CDSはどうなるだろうか。政府の100%保有ということで、テクニカルにクレジットイベントに該当するリスクが少しだけ気になる。

ギリシャがアイルランドに続いて国内金融機関の債務保証を宣言した。EU内ではアイルランド政府の措置に反発する声もあり、週末の欧州首脳会談でも一部足並みがそろわない部分が露呈されるなど、欧州金融機関の受難はまだ続きそうな気配だ。

<モノラインの現状>
・FSA・Assured
--- Moody'sは格付け見直しの結果を9月上旬に発表すると言っていたが、さすがにそろそろ何らかのアクションがあってもおかしくない。FSAの力強い”スポンサー”だった親会社のDexiaが資金繰り難に巻き込まれたことは、FSAにとっては大きなマイナス材料だ。FSAとAssuredが現在のAaaから格下げされると、同社に再保険でリスクを移転していた他のモノラインにとっての再保険によるリスク削減効果が減り、また、パブリックファイナンス案件やSuper Seniorのヘッジを行なっていた大手金融機関もカウンターパーティーリスクについて引当てを増やすことも予想される。

・Ambac・MBIA
---こちらもMoody'sは現在のダブルA(Ambac)とシングルA(MBIA)から複数ノッチ格下げする可能性を示唆し、その結論はいつでても不思議はない状況である。格下げは、上述のように他のモノラインや大手金融機関に影響をもたらす。もちろん、ラップつきの証券化商品や地方債などのパブリックファイナンスにも影響は及ぶことになり、先般ARSの買戻しを発表したUBSなどの大手金融機関にとってはこちらでもネガティブな影響を受ける。さらには、格下げによってGICにおける早期償還や追加担保提供の義務が発生して、同社の流動性にもさらにプレッシャーがかることにもなる。

・FGIC・Syncora・CIFG
---Commutationや地方債ポートフォリオの再保険など、大幅なリストラは進行中であるが、保証する住宅ローン関連の証券化商品の劣化のスピードが速く、引き続き綱渡り状態と思われる。Commutationを行なっても、格付会社は格上げには慎重な姿勢を崩さない。

アングロサクソンのインチキ3

第4:米国発金融危機に対する我が国の対応

「国際金融秩序の維持」という看板を掲げ、米国金融資本を積極支援しているのは、我が日銀と東京三菱UFJ銀行だけではなかろうか。またしても「旦那のしりぬぐいを妾がさせられる」という構造だ。

バブル崩壊による金融危機が我が国を襲った1990年代、米国は我が国の銀行に「時価会計」なるルールを押しつけた。息も絶え絶えになっている金融機関の首を締め破綻に追い込み、濡れ手に粟の大儲けをした。

10月1日日本経済新聞・夕刊は「米、時価会計適用を緩和。証券化商品、損失処理先送り容認」と題する記事を掲載した。我が国の金融危機場面では「時価会計」を押しつけ首を絞めた米国が、米国の金融危機では「ルールを変更する」というのだ。米国の有利になるよう自在に「ルールを変更する」というのだ。

米国は「ダブルスタンダード」と批判されてきた。現在「ルールは米国の都合で自由に変える」と宣言した。そして、厚かましくも「日本の協力、今後も期待。米財務次官、政策協調を強化」(1日付け日本経済新聞・夕刊)というのだ。

このような自分勝手な米国を世界はどのように見るであろうか。おそらく「覇権国家の資格なし」と感じるのではあるまいか。ドイツ財務相が憤るのも当然である。我が国の中川昭一財務相は多くを発言していないが、心境はドイツ財務相と同じではなかろうか。問題は、どこまで「米国の要請」を押し戻すことができるか?に絞られている。

(前置きが長くなった。本筋に戻す)

第1.シュタインブリュック独財務相が「アングロ・サクソン型資本モデル」と批判した背景

2チャンネルでは「ドイツ財務相は社会民主党員で、もともと反米・親露派である」とか、「いや、社会民主主義者でも英国のブレアなど親米派は大勢いる」とかの議論がなされている。国家の介入を最小限に抑え「自由主義市場経済」を標榜してきた米国型経済システムと、国家の積極介入を主張する社会民主主義経済システムとは視点が異なる。だから、ドイツ財務相が「自分の尻を拭わない米国に腹を立てる」のは当然ではある。

筆者は時々「アングロ・サクソン型略奪資本主義」といって批判することがある。なぜ、「自由主義的市場経済」という用語を使用しないかというと、「略奪的・詐欺的金融資本」がアングロ・サクソンの民族的体質に根ざしていると考えるからだ。アングロ・サクソンは、かっては軍事力で世界を威圧し、その後は「自分に都合の良いルールを世界に押しつける」ことで利益を独占し世界に君臨した。

シュタインブリュック独財務相がいう「アングロ・サクソン型資本モデル」というのが何を意味するか不明であるが、おそらく筆者の考えと共通する点が多いのではなかろうか。つまり、アングロ・サクソンの「自国の利益が第1、他国はどうなってもかまわない」という厚かましさに腹を立てたのだ。


第2.シュタインブリュック独財務相があえて「アングロ・サクソン」という言葉を使用した心理を読み解く

米国型資本主義と日本型資本主義の比較検討を行う場合、筆者は民族を自覚することはない。だが、「アングロ・サクソン型詐欺的・略奪的金融資本主義」という用語を使用する場合筆者は「日本民族としての自己」を意識している。シュタインブリュックがあえて「アングロ・サクソン」という言葉を使用したのも、彼自身「ゲルマン民族」という自己意識があったのではなかろうか。

ゲルマン民族であるドイツ人は、第一次・第二次世界大戦で2度もアングロ・サクソンに敗北した。この心理的外傷体験はゲルマン民族の深層心理に深く刻まれている。日頃は「倫理や理性によって抑圧し、心の奥深くに沈潜させている」怨念が、環境の激変などで抑圧機制が弱まり、意識の表面に出現する。

シュタインブリュックは「いつになく厳しい口調で・・」というから、日頃は温和な話し方をするのであろう。だが、米国の厚かましい態度を見て「堪忍袋の緒が切れた」のであろう。抑圧していた「アングロ・サクソンに対する怨念」が、一気に噴き出したというべきである。

第3.シュタインブリュック独財務相の民族意識

ソビエト連邦崩壊による冷戦の終結は、共産主義の終焉を意味しただけではない。ロシア、中国、ベトナム等が資本主義市場経済に参入したから、さまざまな資本主義国家の類型が誕生した。その最たるものが「共産党独裁政権+資本主義」の中国である。資本主義国家の多様な類型が資本主義の枠組を溶解させた。

社会民主主義、修正資本主義、国家資本主義などの類型化が意味を持たなくなった。資本主義のアノミー化が進んだ。「世界を切る」新たな基準が求められている。「文明の衝突」の著者ハンチントンは、宗教を単位とする「文明」という概念で世界を分析した。「帝国以後」の著者エマニュエル・トッドは、原理原則のないマキャベリスティックな世界を描いた。

20世紀を支配したイデオロギーが影響力を失った現在、何が世界を動かすかといえば「伝統への回帰」しかあるまい。「民族(部族)や宗教」だけが国家を統合する基礎になるはずだ。「価値観や経済ルール」は時々の都合で変更されるから国家を統合する力にはならない。

ドイツは社会民主党とキリスト教民主同盟の2大政党が大連立を組んでいる。思想・信条の相違を乗り越え、ドイツ国家を共同運営している。ドイツは思想対立よりも国家・民族の繁栄を優先した。

共産主義や社会民主主義は本来「インターナショナル」な性格をもっている。であるから、社会民主主義者であるシュタインブリュックが「アングロ・サクソン」という用語を使って英米を非難するのは信条に反するはずだ。だが、彼は「あえて」アングロ・サクソンという言葉で米英金融資本を非難した。シュタインブリュックは、ゲルマン民族である自己存在を自覚し始めたといえるのではないか。

我が国ではドイツのナチス党やイタリアのファシズムのような一党独裁政治は生まれなかった。国民大衆が熱狂する政治は生まれなかった。いつの間にか、徐々に戦争の深みにはまった。最後の数年は「戦時体制下」であったから、国家統制の下、無理矢理熱狂させられた傾向がないとはいえない。

ドイツの場合は、ナチス党が国民多数の支持を得て合法的に政権を奪取した。ナチス党の組織・宣伝活動が他党派を圧倒していたとはいえ、いろいろな価値観を持っていた大衆を取り込み大きな流れを作った。ナチス党は偏屈な民族主義者の小政党から出発、次第に無党派層、社会民主主義者、無政府主義者並びに共産主義者などを陣営に巻き込みながら多数派になった。そして独裁政権を合法的に樹立した。

アングロサクソンのインチキ2

第2の問題:米国の最大の国益は「基軸通貨ドルの防衛」なのか?

副島隆彦は「ドル覇権の崩壊」徳間書店で「金・ドル体制は1971年8月のニクソンショックで崩壊した。・・そこで米国政府は当時のOPEC(石油輸出国機構)との間で合意して、全世界のすべての原油価格は必ず、独占的にドルで値決めされなければならない。必ずドルで決済されなければならないという協定を結んだ。このドル・石油兌換体制の成立によって、ドルは生き延びたのである、」と述べている。

イラク戦争も、そしてイランに対する経済制裁を含む圧力外交も、すべて基軸通貨ドルを守るという米国の覇権を賭けた戦いであった。米国は悪の枢軸の筆頭で核兵器を保有している北朝鮮を甘やかしながら、未だ原子炉も稼働させていないイランに圧力をかけ続け、武力侵攻をほのめかしている。米国にとってのイランは「ドル基軸通貨体制を掘り崩す危険な国家」とみられている。米国は表面上「イランは大量破壊兵器を保有する危険がある」と喧伝しながら、真の狙いは「イランが原油取引をユーロで行うのは許せない」ということなのだ。この意味で、イラク戦争やイランへの経済制裁は米国の一貫した戦略といえる。「基軸通貨ドルを守る」という米国の「国益第1主義」が貫徹されている。


第3:なぜドイツは自立できて、日本は自立できないのか?

日独両国は米国に宣戦布告して戦い破れた。戦後、世界最大級の米軍基地がおかれた。米国の世界支配にとっての最重要拠点であった。現在でも、日独両国には世界有数の米軍基地がおかれている。駐留する米軍の兵員は減少したが、米軍基地はほとんど減少していない。

近年、ドイツは対米関係において「是々非々」の傾向を強めている。対イラク戦争ではフランスと共に米国の主権侵害行為を非難した。グルジア問題でも米国と一線を画し、フランスと共にロシアとの協調路線を捨てていない。

今回の米国発金融危機に対して我が国は「無条件支援」という態度を貫き、米財務省に感謝されている。ドイツは欧州6か国と共同して「条件付き協力」の姿勢を打ち出し、米国の金融危機対策にいろいろ注文をつけている。ドイツは「米国の妾」から「自立した女」に踏み出した。

(1)ドイツが米国のクビキから逃れることができた背景

冷戦当時のドイツは東西に分断され、それぞれ資本主義陣営と共産主義陣営に分かれて対峙していた。国境の向こう側は敵陣営であった。さらに、共産主義陣営の盟主であったソビエトの核ミサイルの脅威があった。米国の「核の傘」に依存せざるをえなかった。

ソビエト連邦が崩壊、東欧諸国が共産党独裁国家から民主国家に生れ変わった。まもなく、東欧諸国がEUに加盟した。ドイツの隣国は「友好国」だけになった。新生ロシアも「独仏との友好親善」の態度を示した。ドイツの周辺には仮想敵国がいなくなった。米国の「核の傘」に依存する必要がなくなった。

1999年、統一通貨ユーロを発足させた。独仏を中核とする連合体が質量ともに発展した。米国に依存せずとも「政治的・経済的自立」を実現できる自信がついた。

(2)日本が米国から離れられない背景

東北アジアは冷戦構造が続いている。共産党独裁国家中国と北朝鮮は崩壊寸前ではあるが、未だ命脈を保っている。両国とも核保有国である。「非核三原則」を呪文の如く唱えている我が政府は、米国の「核の傘」に依存せざるをえない。日本を核武装させない路線は「米中の秘密協定で取り決めた」のかもしれぬ。米中は「利害を共有する仲間」ではないかという疑問がわく

(東北アジアで冷戦が終結しない理由を読み解く)

「犯人は、犯罪行為によって最も利益を上げる者」というのは犯罪捜査のイロハである。では、東北アジアの冷戦構造を維持することで最も利益を上げる国家はどこか?を問わなければならぬ。筆者は「最大の受益者は米国である」と考える。冷戦構造が続いているから米国は、日本、韓国、台湾に高価な武器を独占販売できる。我が国にも130か所ほどの膨大な米軍基地を維持できる。日本・韓国・台湾を同盟国とすることで「中国に圧力をかける」ことができる。つまり「対中国用の切り札」として日本・韓国・台湾を利用することができる。

東北アジアにおいて冷戦構造を維持するためには、中国共産党並びに(北)朝鮮労働党の独裁政権が崩壊しないよう支援する必要がある。中国や北朝鮮の共産党独裁政権は国民大衆の支持を失っている。崩壊寸前だ。だから中国共産党と朝鮮労働党の一党支配が崩壊しないよう米国は「目立たない方法で側面から支援する」と考え実行しているのではないか。

米国は「悪の枢軸」とみなして経済制裁し、テロ支援国に指定してきた北朝鮮に対し「人道援助」という名目で、たびたび米50万トンの援助をしている。重油100万トンの一部支援も積極的に行っている。北朝鮮の先軍体制下においては「人道支援の食糧や燃料」が窮乏する庶民に届くことはない。米国は「支援物資は軍や高級幹部を潤すだけ」という事実を知りながら、食糧支援を続けている。米国は「金正日カルト独裁政権が崩壊しては困る」と考えているのではないか。

米国はまた「中国共産党胡錦涛指導部」に対しても、特別な配慮をしている。中国が米国債を大量に買いつけてくれるから、という見方もできるが、それだけではあるまい。チベット僧に対する大弾圧直後、ブッシュは北京五輪の開会式に出席し、4日間も中国に滞在した。胡錦涛は「米国大統領閣下の後援」を得て、さぞ満足したのではあるまいか。地方政府幹部の汚職と暴力に憤った人民大衆は年間9万件の暴動を発生させている。治安機関は地方政府幹部の私兵となっている。統治機構も崩壊寸前である。ブッシュの訪中は、夜も眠れない日々を過ごしている胡錦涛を勇気づけたはずだ。

以上、崩壊寸前の中国共産党と朝鮮労働党が何とか持ちこたえているのは、米国が側面支援しているためではないかとの疑問がわく。胡錦涛も「米国の配慮」を理解しているから、米国債の大量購入、米国金融機関への資金援助に励んでいる。最近、中国共産党指導部の他派閥から「ドル暴落と債権価格の暴落で大きな含み損を抱えた。米国に貢ぐのもいい加減やめるべきだ」との圧力がかかっているのだろう。目下、慎重な姿勢で「様子見」を決め込んでいる。「米国盲従はいい加減やめろ」との声が指導部内でも強まっているはずだ。

(東北アジアにおける冷戦構造を終結させる条件)

中国で共産党独裁が打倒され民主的国家に転じた場合、北朝鮮が内部崩壊して韓国が半島を統一した場合は「東北アジア版ベルリンの壁崩壊」となるかもしれぬ。だが、米国がこれら独裁政権を支援すると見るべきであるから実現可能性は低い。

「他力本願」では何事も進まない。我が国が率先して「ロシア並びに中国との戦略的同盟→準軍事同盟を構築する」ならば事態は一変する。だが、我が国を自由自在に操れると考えている米国がさまざまな干渉をしてくることは間違いない。我が国が米国の意向を無視して「ロシア・中国」との戦略的同盟を構築するのも困難だろう。

唯一の可能性は、米国発金融危機で米国経済が破綻、ドルが基軸通貨でなくなる時、米国は「外国のことにかまっておれなくなる」からチャンス到来である。米国太平洋艦隊を維持するカネもなくなる。兵員と艦船の大幅削減は避けられない。米国が「内向き」になった時が、我が国が自立するチャンスである。東北アジアの冷戦構造を終わらせることができる。

アングロサクソンのいんちき1

ドイツの財務相が「ドル基軸通貨体制の崩壊」を断言した。なぜ、彼は「米国発金融危機の元凶はアングロ・サクソン型資本モデル」と批判したのか?
2チャンネル・ニュース速報+ニュース国際に「米国は金融システムで超大国の座を失う=独財務相」(ベルリン25日ロイター)と題する以下1,2,3,4の記事を掲載している。( )内は筆者が補足。
 

1.ドイツのシュタインブリュック財務相は25日、世界的な金融危機を引き起こした元凶として、アングロ・サクソン型資本モデルを挙げた。財務省はいつになく厳しい口調で、米国が世界の金融システムにおける超大国の座を失うだろうと述べた。

2.(ドイツ)連邦議会・下院で演説した同財務相はまた、米国は市場規制の強化を受け入れる必要があるとの認識を示した。財務相は、世界の金融危機は「大きな傷跡」を残すと予想、投機的な空売りの禁止や信用リスク相殺に向けた銀行の自己資本比率引き上げなどを含む8つの対策を提案した。

3.財務相は「世界は危機前とは一変するだろう。米国は世界の金融システムにおける超大国の座を失い、世界の金融システムは一段と多角化するだろう」と述べた。また、危機の責任は米国と、銀行幹部が利益の二桁成長や巨額のボーナスを追い求めたアングロ・サクソン型資本モデルにあるとあけすけに批判。「ニューヨーク、ワシントンとロンドンの投資銀行家や政治家は、それらを諦めようとはしなかった。「ウォール街は決して元通りにはならない」と述べた。

4.金融安定化策については、国内金融機関に米国の対策コピーを適用する必要もなければ、適用(するの)が賢明で(も)ないとの考えを示した。財務省はさらに、「金融危機は何はさておき米国の問題だ。欧州大陸の他の主要7か国の財務相もこの意見を共有している」と述べた。


独財務相は「(米国発金融危機が過ぎ去った後の)世界は危機前とは一変するだろう。米国は世界の金融システムにおける超大国の座を失い、世界の金融システムは一段と多角化するだろう」と断言したという。つまり、世界の貿易決済通貨である米ドルは基軸通貨の地位を失うというのだ。「多角化する」という意味は不明であるが、おそらく原油他の決済に、米ドル以外の通貨が使用されると示唆したのであろう。

独財務相は「EUのユーロ、ロシアのルーブル、中国の人民元、日本の円、サウジアラビアのリアル、インドのルビーそして米ドルなどの通貨が併用される時代になる」と予告したのだ。昨年だったか、ロシアのプーチン大統領(当時)は中国との2国間貿易の決済に関して「ルーブルと人民元を使ったらどうか?」と提案したことがあった。独財務相は[EUとロシアの貿易決済に、ユーロとルーブルを使う」と想定しているのかもしれぬ。そうなると、我が国がロシアと取引する際は、ルーブルと円で決済することになろう。円とユーロ、ルーブルと人民元、人民元と円、サウジアラビアのリアルと円による決済が始まるかもしれぬ。これまでは「米ドル」だけで決済できたから便利であったが、米ドル決済の領域が縮小すれば、米ドルを使えない貿易決済が増える。我が国も「米ドルに偏重した外貨準備」を是正すべきである。


第1の問題:米国が主導した「日本とドイツ」を監護する戦略

戦後、連合国軍に軍事占領され、米国の被保護国に陥った日本とドイツには現在でも世界最大級の米軍基地がある。米国の世界戦略の要が「日本とドイツ」であった証拠である。米国の世界戦略は「ソビエト連邦を盟主とする共産主義陣営の封じ込め」と「日本とドイツが自立しないよう厳しく監護する」ことであった。世界最大級の米軍基地を温存し、日独両国を「米国の核の傘に依存させる」ことであった。わざわざ「核不拡散条約」を制定したのも、日本とドイツの核武装化を阻止するためであったとされる。

核不拡散条約は表面的には「常任理事国5か国の核独占を恒久化する」ということであったが、隠された真の目的は「日本とドイツを核武装させない」ことにあったとされる。インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮が新たな核保有国となったが、常任理事国5か国の対応はそれほど厳しいものではなかった。黙認していたに等しい。そして今回米国はインドの核兵器保有を公認した。近日中に北朝鮮を「テロ支援国」から解除するのではないかといわれている。政権末期のライスとヒルの国務省コンビが「一つでも目に見える成果を」とあせっているから、北朝鮮のゴネ得が効果を上げるのではないか。先進的工業技術国家である日本とドイツの核武装さえ阻止できれば、その他大勢が核武装しても大したことはないと考えているのではないか。

三菱UFJの9000億引き受け

焦点:三菱UFJのモルガン増資引き受けで評価二分
2008年 10月 1日 06:59 JST 記事を印刷する | ブックマーク[-] 文字サイズ [+]

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国内金融システムは安定状態、邦銀収益力は改善足踏み=日銀リポート
米金融安定化法案否決で世界的株安、市場は追加策視野に
8月国内自動車生産は13カ月ぶり前年割れ、北米中心に輸出減  [東京 30日 ロイター] 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)が決定したモルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)に対する90億ドルの出資が妥当であったのか、金融界での見方が交錯している。

 三菱UFJはモルガンの高収益を支えた投資銀行業務のノウハウ習熟を狙っているとみられるが、銀行持ち株会社へ業態変更したモルガンのビジネスモデルが変更される可能性があり、思惑通りに業務のノウハウや高い収益を得ることができるのか不透明な点が多いからだ。さらに米金融不安の暗雲は増すばかりで、増資後のモルガンの経営が安泰とも言い切れないとの声も出ている。グローバル・プレーヤーの地位をつかみ取れるかどうか、他の国内金融機関は三菱UFJの決断の行方を注視している。

 <投資銀行を選んだ三菱UFJ>

 商業銀行を取りに行くか、投資銀行を取りに行くか――。邦銀が海外金融機関のM&A(買収・合併)戦略を練る際に、常に付きまとったテーマだ。商業銀行が相手ならば、経営に失敗して人材が散逸しても資産は残る。しかし、投資銀行は別だ。最大の資産である人材をどのように処遇するのか。「場合によっては、経営陣層よりも高額の給料を得ているインベストメント・バンカーをどのようにマネージするのか。われわれにできるのか」(大手行企画担当役員)との自虐的な声が、邦銀関係者の中では多数派だった。

 銀行アナリストの間では「邦銀は投資銀行をマネージできない。三菱UFJが出資・買収する先は北米の商業銀行だろう」(外資系証券アナリスト)というのが一般的な見方だった。今回、三菱UFJは大方の予想をひっくり返し、大きな賭けに出たことになる。

 もっとも三菱UFJ内部にも「マネージするつもりはない。純投資だと割り切っても収益の上乗せ効果は大きい」(幹部)との割り切った考えもある。モルガンが過去最高の高収益を上げた2006年11月通期の最終利益は約75億ドル(7800億円)。20%の持分法適用会社として年間1500億円の利益を吸い上げることができる計算だ。6366億円(08年3月期)の当期利益を稼ぐ三菱UFJにとっては決して少なくない。

 しかし、三菱UFJも「(高収益を上げた)投資銀行のビジネスモデルは見直しを迫られている。今後の収益を見積もるのは難しい」(水野俊秀専務)と見ており、上乗せ効果がどれだけ期待できるかは未知数だ。 

 <三菱UFJ証券とモルガンスタンレー合併の可能性も>

 三菱UFJとモルガンは来年6月を期限に戦略的提携の具体的な中身について交渉を始めた。交渉がまとまった分野から実行に移すが、三菱にとって課題の1つは、弱点と指摘される証券業務強化にどれだけ結び付けられるかだ。

 グループ内の証券業務は三菱UFJ証券が担っているが「親しい三菱グループの企業からさえも相手にされていない」(三菱UFJ幹部)との声が漏れる。三菱グループの主要企業が絡むM&Aのファイナンシャル・アドバイザリーだけでなく、株式などの引き受け業務でも「当たり前のように主幹事を外資系投資銀行に持っていかれる」と同幹部は嘆く。

 「いずれはモルガンに三菱UFJ証券を吸収してもらうのではないか」(欧州系投資銀行幹部)という観測が、投資銀行関係者の間で浮上している。優良企業として世界展開している三菱グループ企業の資金調達や海外関連のM&Aで、モルガンが持つ専門性や世界的ネットワークを利用できると期待できるからだ。

 それだけではない。欧米の優良企業との取引拡大を急ぐ邦銀だが、海外の金融機関との差は一足飛びには縮まらない。米国での事業展開に自信を持つ三菱UFJでも、米国企業の社債による資金調達では、シンジケート団の末席に加えられる程度だ。例えば、シンジケート・ローンの組成でもっとも稼ぎが大きいのは主幹事だが「米国の主要企業との取引はバルジブラケット(巨大投資銀行)ががっちり押さえ込んでいてすきま間もない」(三菱UFJ幹部)。米国を代表する投資銀行との関係強化は、その「すき間」に食い込むきっかになる可能性もある。

 <マーケットの環境次第で減損リスクも>

 当初、すべて普通株による増資引き受けを想定した三菱UFJだが、最終的には3分の1を普通株で、残りの3分の2を優先株で引き受けた。デューデリジェンスに掛けた日数はわずか1週間弱。三菱UFJは「120人の人材を投入し、リスクの高いところを中心にアプローチした」(水野専務)と自信を見せる。

 しかし、「期間を考えると詳細な査定はできていないのではないか。その分を優先株でヘッジした」(国内証券幹部)との見方が強い。

 三菱UFJの平野信行取締役は、優先株に付与したオプションバリューや10%の配当などを踏まえ「リスクを最小限に抑えた。減損ポイントはかなり低い」と説明した。だが、普通株の下落が続けば、優先株もき損も免れるわけではない。

 さらに別のリスクも存在する。「現在の米国の金融環境を考えれば、将来的にはMスタンレーにも公的資金が入る可能性がないわけではない」と欧州系投資銀行幹部は指摘している。

 その場合、株式の希薄化で既存株主が大きな痛手を被るほか、場合によっては減資のリスクもつきまとう。こうした点からみても、今回の三菱UFJの出資は「リスクを取りに行った」(外資系証券の関係者)とみられている。 

今後の展開

●VIX指数の急上昇から、目先、株式相場の「戻り」場面が現れる可能性がある。その場面では、(1)現物を売り逃げる、あるいは損切りすること、(2)金価格が下がったら買い向かうこと。



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投資家の不安心理映すVIX指数が過去最高に上昇(ロイター)



 【シカゴ 29日 ロイター】 投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー(VIX)指数は29日、過去最高水準に上昇した。米下院での金融安定化策否決を受けて懸念が強まった。



 否決を受けて米株市場は急落、S&P総合500種指数は過去21年で最大の下げを記録し、8.79%安で引けた。



 VIX指数は34.5%上昇し過去最高の46.72をつけた。



 オンライン証券thinkorswim Groupのチーフ・デリバティブストラテジスト、ジョー・キナハン氏は「クレジット危機により、市場の不安レベルは1987年の株価急落以来の水準に達した」と述べた。
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●10月中旬には「7-9月期」の四半期決算発表が始まり、レベル3で糊塗していた「損失」がリーマンの破綻を契機に表面化を余儀なくされる。ヘッジファンドも多数が破綻しており、金融機関の損失が膨張する可能性がある。また、金融機関は嘘を隠し通すにも「自己資本額」との兼ね合いで限界点に達している。



●10月から、リーマンの破綻を契機とする「デレバレッジ」が加速する。そのため損失額が雪だるま式に増加する。その一方で、金融機関の増資は日に日に不可能となってきており、期待されたSWFもおそろしくて手を出さない。どこにも救世主が存在しない状況となる。(注) デレバレッジ=ある資産の強制処分で資産価格が押し下げられ、他の投資家のバランスシートを悪化させ、更なる資産処分を余儀なくするという現象がつづくもの



●10月からの、米国での雇用の削減に伴い、「米個人消費の行方」は、借金体質を長期間続け、貯蓄ゼロの米家計から考えて、急速で、急激な減少となるのが必然。GDPの70%を占める個人消費の減少は、販売不振(売り上げ減)→製造減少→雇用削減の順に、さらに雇用不安をあおり、消費の減退→売り上げの減少といったループを招く。



●NY株の暴落が示すものは金融崩壊の始まりである。大きな買い物とされる自動車のGMやクライスラーの経営破綻に見られるように、金融の崩落の悪影響は「実態経済への打撃」として徐々に現れてくる。9月の金融の大型破綻からして、10月以降に企業業績の大幅減益が見え始める。



●現在の米国の不良債権総額は、最低で300兆円。同額(300兆円)が欧州の不良債権として存在する。不動産価格の下落が止まらない限り、この額も増え続ける可能性があり、同時にその証券化商品は下落を続ける。欧米金融機関の自己資本200兆円では保たないし、7000億ドル(73兆円)では焼け石に水状態。今回の金融安定化法案は、一時的効果しか期待してはならない。



●米金融機関が、蓋を開けると腐った証券類を大量に隠していたように、FRBの財務内容も、資金供給に腐っているMBSやABSと米国債を交換した形に、含み損を大量に抱えており、それが表面化すると「米ドル」が売られる。これが下落相場の本格化する場面となる。



●ここまで18%下がった米住宅価格は、ここから20%は最低 下がる。根本要因の住宅価格の下落が止まらないと、証券化商品の下落も止まらない。その過程で、国際的に、FRB不信感は高まり、米国債、米ドルの売りが始まる。上記同様、米ドル売り=米国債売り=米国株下げが本チャン場面であって、現在は米国債と米ドルは売られていない。



●信用の大膨張など無かった、はるか昔のように金価格とNYダウの一致する場面が、株価の止まる場面と考えられる。「米ドル不信=>ユーロ不信=>通貨不信」を意味するのが「金価格上昇」。象徴的にはNYダウ5000ドル=金価格5000ドル、あるいはNYダウ2000ドル=金価格2000ドル。

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