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金融危機が終わっていない3つの理由

米国の金融危機が終わっていない3つの理由

 まるで10年前のリプレーを見ているようだ。言わずと知れた米国の金融危機である。
 
 今からちょうど11年前の1997年11月、三洋証券の破綻をきっかけに、都銀の一角であった北海道拓殖銀行、そして四大証券の一つであった山一証券が破綻した。翌1998年の10月には日本長期信用銀行、12月には日本債券信用銀行が破綻し、日本は金融危機の深淵を垣間見た。くしくも9月15日に破綻した米国のリーマン・ブラザースも、山一証券と同じ業界第4位であった。

 今回の金融危機はまだ収まる気配を見せない。なぜ、このような世界を震撼させる金融危機が発生したかはさておき、焦眉の急である処方箋について考えてみたい。

 少し理屈っぽくなるが、金融危機を考える際には、リクイディティ(流動性)とソルベンシー(支払い能力)が、キーワードになる。流動性とは約束した期日に決済をできるお金があるかどうか、お金を借りてくる力があるかどうかである。支払い能力とは、預金や借金を返せる能力があるかどうか、一言でいえば債務超過に陥っていないかどうかである。

 もちろんこの2つは密接に絡んでいる。金融不安が今回のように市場全体を覆い尽くすと、どの金融機関がソルベンシー不足に陥っているかわからなくなるため、金融機関同士が一時的な資金の過不足を調整する金融市場に相互不信が蔓延し、みながおカネを出し渋る。このため、貸し借りがうまくいかず、債務超過でない健全な金融機関でさえ、資金繰りに失敗して支払い不能に陥り、倒産してしまうことにもなりかねない。支払い不能が支払い不能を呼び、金融システムがマヒしてしまうのだ。これがシステミックリスクであり、パニックである。

 では、米国の金融危機は回避できるのだろうか。

 結論から言えば、日本の金融危機以上に、ことは厄介である。ごく簡単にいえば、日本の金融危機は、バブル期に不動産を担保に貸し出し競争に突き進んだ銀行(金融機関)が、バブル崩壊で膨大な不良債権を抱えたために発生した。当時、日本では貸し出しの転売や証券化は発達しておらず、企業向けの貸し出しは銀行融資が中心。このため不良債権のリスクや損失が銀行部門に集中した。

 今にして思えば、不幸中の幸いで、処方箋は描きやすかったとも言える。銀行部門にリスクが集中しているため、日銀が金融市場に流動性を供給して市場を落ち着かせ、次いで公的資金で銀行の自己資本を増強して、ソルベンシー不足を解消するという手を打ったからだ。


この際、債務超過の銀行は経営責任を明確にするという意味で破たんさせ、即時に国有化して預金や金融債を守った。債務超過でない銀行に対しては、金融機能早期健全化法を作って60兆円の公的資金を用意し、1999年3月には大手行を中心に7・4兆円の資本を注入して、からくも金融危機を回避したのである。

 翻ってアメリカはどうか。9月18日には日米欧の中央銀行が共同して、、総額1800億ドル(約19兆円)に上るドル資金を金融市場に供給すると発表したが、これが資金繰り破綻が起きないようにするリクイディティ対策で、緊急措置に過ぎない。この対策で時間を稼いでいる間に、ソルベンシー問題に解決の道をつなけらばないのだ。しかしである。どこに公的資金を投入すれば、もっとも効果的で、効率的であるかすら定かではない。関係者があまりにも多いからである。

サブプライムローンを中心とする住宅ローンが証券化され、その証券化商品が世界中にばらまかれた。関係者は住宅ローンを実行した銀行や住宅ローン会社、証券化商品を「製造」すべく、これを買い取り膨大な不良債権を抱えてしまった大手銀行やリーマン・ブラザースなどの投資銀行(日本の証券会社に近い)、証券化商品に投資した世界中の銀行、ヘッジファンド。厄介なことに、銀行の連結対象とならない実質子会社も、これに投資していた。かつて、日本の銀行が連結対象とならない関連ノンバンクを経由して、不動産融資に走り、傷を大きくしたのとよく似ている。さらに、こうした証券化商品を保証していた保険会社のAIGにまで、経営不安が広がった。

 関係者があまりに多岐にわたっているため、さしもの米国金融当局もソルベンシー不足の金融機関を特定できないし、どの機関を救済するのか、そのルールも確立できないでいる。
 
 となれば、結局のところ、政府が金融危機の大本である住宅ローンを買い取って、不良債権を関係機関から分離するしかない。米国政府が最大7000億ドル(約74兆円)を投じて不良債権を買い取ると表明したのも、他に有効な手段がないからにほかならない。それでも実行段階では、まだ越えなくてはならないハードルは多い。常識がある人ならすぐにいくつか思い当たるだろう。

 第1はどの機関まで不良債権の買い取り対象とするかである。ちなみに米国の投資銀行(インベストメントバンク)は、日本の銀行法のように根拠となる法律すらない。例えば、トップのゴールドマン・サックスは、総資産が1兆ドルを超える巨大金融機関であるにもかかわらず、である。バンクとは名ばかりで、銀行規制にも服していなければ、預金保険の対象でもない。逆に、第3位のメリルリンチが大手銀行のバンク・オブ・アメリカに救済合併されたり、2位のモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社への移行を表明したのは、公的資金を念頭にした深謀遠慮があるのだろう。



第2が買い取りの価格をどうするかだ。そもそも、こうした証券化商品は今や取引がないので適正な価格算定すら難しい。かといって、買い取り価格を高くすれば、売り手側の損失は小さくなるが、政府・国民の負担は増える。買い取り価格を低くすればするほど、売り手の損失が膨らみ、債務超過に陥るかもしれない。果たして、そのような取引に売り手が応じるのだろうか。

 よしんば強制的に買い取ったとして、次々と債務超過の機関が出てくれば、金融危機が再燃する恐れがある。つまり、日本同様に公的資金を投入して資本を増強し、ソルベンシ―を回復させる政策とパッケージでなければ、危機は防げない。第3のハードルは米国政府が、そこまで踏み込むかどうかである。

 1998年の日本では、参議院選挙で自民党が大敗した結果、リーダシップ不在となり、与野党のみならず、自民党内でも権力闘争が激化したことが、危機に拍車をかけた。米国も大統領選挙直前であり、党派を超えて素早く結論が出せるのかどうか。公的資金をどの機関に投入するのか。そもそも預金と違い、投資商品は得も損も自己責任で引き受けるのが筋ではないのか。議論は堂々巡りする可能性がある。

 日本金融不安の第1波が1992年だとすれば、金融危機がほぼ終息したのは、大規模な公的資金の投入が決定される1998年。危機が終息するまでに、実に6年の歳月を要した。さらに、危機への対処に時間がかかったため、バブル崩壊による不良債権に、長期不況による不良債権が加わって、本当の解決までにはさらに5~6年を要した。

 日本は金融危機の際、米国から対処のスピードが遅いと、厳しい「ご指導」を受けた。日本政府は貴重な経験をもとに、いま米国政府に対して、断固たる行動を求める時ではないのだろうか。なぜなら、彼の国は市場原理を信奉しているからである。決断と行動のスピードが問われている。決断が遅れれば遅れるほど、株式市場、債券市場が危ない金融機関に退場の宣告を下し、それが危機を増幅するからである。

(ジャーナリスト 原 英次郎)

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スキーム全容

[金融]不良債権買取の仕組み
 昨日に引き続いての金融ネタである、米国政府が用意した75兆円の公的資金による不良債権買取枠だが、その後のニュースを見ると、ほぼ同種の債権について政府が買入入札を行い、安い順に政府が買っていくという仕組みらしい。つまり、「サブプライムローンを背景にしたMBSの03年ビンテージ」とか、何らかカテゴリーに分けて買取入札が行われるのである。それに対し、売り手の金融機関は、簿価100円に対して20円とか30円とか、売りたい金額をオファーする。結果、安値を呈示した順に政府が買い入れる、ということになる。これによって、安い順に買うから政府の損失は最小限になるだろうし、ある種の納税者向けの公平性は担保できるだろう。

 また、この値付けがどこで決まるかと考えると、なかなか絶妙な仕組みである。金融機関にとってみると、この入札には、当然ながら売却による損失に自らが耐えられる金額でしか応札できない。従って、この値段は結局資本の制約で決まることになる。入札によるから一見、市場原理で公平に値段が決まるのかと思いきや、さにあらず。この値段は、証券化商品の裏付け資産の時価によって決まるのではなく、その証券化商品を持つ金融機関が耐えられる損失の上限(=資本の余裕)によって決まるのだ。追加で調達する等、資本的に余裕がある所は、より安値を出してより多く売って損を確定できるだろうし、そうで無いところは、安値を出せないがゆえに、資産が売れず、苦しむことになる。ただし、75兆円が全体に対して十分に大きければ、いずれその様な金融機関にも安値順のドラフトが回ってきて、その弱い金融機関が耐えられる比較的高い値段で売れることになる。逆に、75兆円が十分でなければ、その資産の「市場時価」は、体力のある金融機関が売った比較的安値がメルクマールとなって決まり、そこまで価格を出せず、売り切れなかった金融機関が減損を迫られることになる。

 僕には75兆円の絶対額の多寡は断言できないが、この仕組みの根源的な狙いは、その様なメカニズムを金融機関に呈示することで、それぞれの金融機関に自力での資本調達をインセンティブ付けすることにあると思われる。このメカニズムは、政府が、「最も体力のある金融機関が出せる損失以上には不良債権価格は落ちません」と呈示するのと同等だから、それぞれの金融機関の今すべきことは、とにかく最も多くの資本をかき集めることになる。僕は、直感的には、75兆円は十分ではなく、一部の金融機関は売り切れずに減損を出し、その資本不足を政府が公的資金で最終的に埋めることになると読んでいるが、そこに至る過程で、各金融機関をして資本調達に奔走させておけば、投入すべき資本額は極小化させられるのである。

 この様に資本の制約を実質的に価格にビルトインさせて、価格が資本の余裕以上にオーバーシュートすることを防ぐ仕組みを担保する一方で、11月に迫る選挙を見据えて、金融危機を防ぎつつ一見フェアに見えて選挙権者に説明できる内容とするという、なかなか見事な目論見が、時間が無い中でよく作れたものである。この辺の米国政府の金融リテラシー、民主主義リテラシーの高さは、素直に賞賛すべきではないだろうか。

スキーム全容

[金融]不良債権買取の仕組み
 昨日に引き続いての金融ネタである、米国政府が用意した75兆円の公的資金による不良債権買取枠だが、その後のニュースを見ると、ほぼ同種の債権について政府が買入入札を行い、安い順に政府が買っていくという仕組みらしい。つまり、「サブプライムローンを背景にしたMBSの03年ビンテージ」とか、何らかカテゴリーに分けて買取入札が行われるのである。それに対し、売り手の金融機関は、簿価100円に対して20円とか30円とか、売りたい金額をオファーする。結果、安値を呈示した順に政府が買い入れる、ということになる。これによって、安い順に買うから政府の損失は最小限になるだろうし、ある種の納税者向けの公平性は担保できるだろう。

 また、この値付けがどこで決まるかと考えると、なかなか絶妙な仕組みである。金融機関にとってみると、この入札には、当然ながら売却による損失に自らが耐えられる金額でしか応札できない。従って、この値段は結局資本の制約で決まることになる。入札によるから一見、市場原理で公平に値段が決まるのかと思いきや、さにあらず。この値段は、証券化商品の裏付け資産の時価によって決まるのではなく、その証券化商品を持つ金融機関が耐えられる損失の上限(=資本の余裕)によって決まるのだ。追加で調達する等、資本的に余裕がある所は、より安値を出してより多く売って損を確定できるだろうし、そうで無いところは、安値を出せないがゆえに、資産が売れず、苦しむことになる。ただし、75兆円が全体に対して十分に大きければ、いずれその様な金融機関にも安値順のドラフトが回ってきて、その弱い金融機関が耐えられる比較的高い値段で売れることになる。逆に、75兆円が十分でなければ、その資産の「市場時価」は、体力のある金融機関が売った比較的安値がメルクマールとなって決まり、そこまで価格を出せず、売り切れなかった金融機関が減損を迫られることになる。

 僕には75兆円の絶対額の多寡は断言できないが、この仕組みの根源的な狙いは、その様なメカニズムを金融機関に呈示することで、それぞれの金融機関に自力での資本調達をインセンティブ付けすることにあると思われる。このメカニズムは、政府が、「最も体力のある金融機関が出せる損失以上には不良債権価格は落ちません」と呈示するのと同等だから、それぞれの金融機関の今すべきことは、とにかく最も多くの資本をかき集めることになる。僕は、直感的には、75兆円は十分ではなく、一部の金融機関は売り切れずに減損を出し、その資本不足を政府が公的資金で最終的に埋めることになると読んでいるが、そこに至る過程で、各金融機関をして資本調達に奔走させておけば、投入すべき資本額は極小化させられるのである。

 この様に資本の制約を実質的に価格にビルトインさせて、価格が資本の余裕以上にオーバーシュートすることを防ぐ仕組みを担保する一方で、11月に迫る選挙を見据えて、金融危機を防ぎつつ一見フェアに見えて選挙権者に説明できる内容とするという、なかなか見事な目論見が、時間が無い中でよく作れたものである。この辺の米国政府の金融リテラシー、民主主義リテラシーの高さは、素直に賞賛すべきではないだろうか。

コメント

[ 吉行誠 ] [2008/09/22 15:29]
CFCと役員に対する株主代表訴訟の申立の事実の主張のなかで、明らかにされているのは、貸付方針を守って貸し出されていないローンが余りに多く、それを融資の現場の職員が証言しており、また裁判所は、経営者が、与信方針を守っていないことを承知で、無謀にいけいけどんどんで貸し付けたこといたと意見した(5/14/08)。発行目論見書の与信方針にしたがって貸されたローンとは違って違反貸付の塊という。こうした場合に証券開示通り違反貸付のないローンと仮定して評価するのか。格付けはDD機能も義務もなく、提出された情報が正しいとして査定される。詐欺訴訟はこうして起こってくる。売りつけた者の勝ち?抗弁権は切断できるか。破綻したLEHを譲り受けたBARCは将来起こりうる違法貸付訴訟から遮断できた。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/22 12:55]
救済法利用銀行とは。ローンと証券の違い。50%評価損を出したalt-AのAAAも今もCFは予定通り入っている。生ローンは延滞こそ10%を超えたが貸倒はまだ小さく引当金は、実績率に応じて5%しか積んでないとする。証券ではMTMして今の帳簿価格の半分(元の25%)の範囲であれば、資本はその売却損に耐えられる。ただ保有したくなければ、そういうニーズはあるだろう。生ローンは事情が違う。そんなに償却していない。プールを売るとなれば、プライシングはRTCでみるように、証券化ストラクチャーによる市場化を前提にしたほうが現状では客観的で高くなりうる。生のままであってもデフォルトモデル想定からOption ARM、クローズドsecond lienにしろ、半分以上の損をだすことになれば、資本不足に陥らずにどうして売れるのか。りそなのように、生きたまま資本注入すれば別だが。

コメント

[ 吉行誠 ] [2008/09/22 12:20]
信用市場機能不全を回復させるため不良債権を除去しろという救済法案。資本充実ができる健全な銀行だけが使える。確かに証券の評価損処理は実際に担保ローンが腐るより早く、格付機関もデフォルト想定を実際のローン毀損よりも早く悪化を予想し、モデルに組み込む。
http://www.doblog.com/weblog/Mypage.do?method=commentView&userid=72014&columnid=505&pageNo=1
損失は軽微に留まるという想定で、利用者がいるという想定。私の想定は、ただ現在mtm時価では売れないから流動性を与えるというより、多くの資産が低い価格になるという前提。そういう資産を抱える機関こそ利用したいと考えるが、利用者が限られるどころか、どこにいるのか。現実的実効性がなければ、政府が市場を支えるという強い意思の表明にすぎない。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/22 12:19]
現在裁判官のクラムダウン権は93年判例法理で認められていない。差押防止対策法案は昨年から議論されてきた。11/15下院通過のモーゲージ市場改革法案で、市場の喉元にナイフを突き刺すようなものだからと通過が危ぶまれやむなく除外された項目で、2月以降、司法委員会の法案通過が課題。その前に市場が混乱して放置されている。差押防止のための対策として、78年破産法制定が削除してしまった裁判官の権利を復活しようというもの。
Chap13適用では住宅ローンは、モーゲージ支払いの一部元本免除や金利削減をしないで契約通り払える支払能力がある場合に限られる。Chap7では裁判所が支払能力ありと判定して許可すれば、モーゲージはそのまま継続される。裁判官にクラムダウン権限を与えたら、払える範囲の元本と金利に縮減し、満期も延長の変更を受ける。これでOption ARMをどうやって、評価しろというのか。


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[ 吉行誠 ] [2008/09/22 12:19]
CDO評価の問題は下の通り。あちこちのブログで金融機関に勤務する方々が、不良資産を買取って、解きほぐせばいいという。MBSとCDOの目論見書、契約書はよまれての発言でしょうか。SPCであっても、CDOの中身がかりに10のMBSだとすれば、購入者がSPCのすべての証券の権利を取得しても、MBSの信託財産に直接的権利行使ができず、解約できない信託であれば、どうときほぐすというのか。さらにデリバティブが入ってカウンターパーティがモーゲージに優先先取権を設定しており、投資家はCFにしか優先的弁済受領権しかなければ、これを同解きほぐすというのか。事例を交えて説明していただきたい。それにMODSや将来クラムダウンの発生の恐れがある。資産リスケされ価値が落ちる。そういう資産を買取り、30年政府があるいはRTC2が保有するのか。これはバックファイナンスでもつけなければ評価対象外。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/22 12:19]
Benkeiさんのは意味深いコメント。
RMBSやCDOの評価でIntexなどのツールでどの程度可能か。証券プールのパフォーマンスの個別ローン情報が追えるとすれば(直接提供を含めて)、あとはデフォルト推定を含むモデルの問題でしょうか。しかし経済法規制環境を無視してはデフォルト率と発生タイミングを推定することはできない。格付機関は過去実績の推定モデルをつかってalt-Aを評価した。しかしalt-Aを組んだ時点からその債務者の信用状況が変わってしまったのだから、推定モデル集団にはいない。しかしモデルには多くのgivenでできあがり、環境変動を考慮しない想定を所与にする他ない。買った後MODS適用されたらどうなるか。破産法chap13でクラムダウン権が裁判官に認められたらどうなる?モデルは意味をなさなくなるから、重大な評価損がでて購入価値など意味がなくなる。などなど。


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[ 吉行誠 ] [2008/09/22 12:18]
とおりすがりさん、RMBS、GSE、CDO、ABCP、SIV、CDS、FASやクレジットイベントといった、一般の投資家が知る必要のなかった知識に部外者が、市場が混乱しそれにより動くから関心を持つようになってしまった。部外者とは、証券会社にいても、株式部、国内債券部など投資関連サービス部門にいては、見知らぬ世界でしょうから、他金融機関や投資顧問を含め、特に知りたくなる。ファイナンスやバンキング、発行市場関連知識とはいえ、そこに携わるものがわかるのは、必要からそのために研修し、商品知識をもって、現場で働いているでしょう。数千人の投資家がいて、社債契約も債務不履行、財務制限条項、表明保証も読んだことがなかったら、さてそういう方がたに、一から教育が必要かと。というか、関心をもたれないでしょうけど、皆さん、基礎理解も関心分野も違うからニーズに応じる対応は困難でしょう。関係者だから勉強でしょう。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/22 12:18]
Yariさんのが的確な人物能力評価です。たまに拝見しますが、いつもながらに確かな視点と洞察力。経験知は上にいたら下がどのあたりか見えますが、上はどこにいるか見えない。
US市場もののため、情報ソースが確かだと確認なく使ってしまい、あとで理解違いだとわかることもある。Blbg、WSJにしろ、記者は金融に携わるわけでないので誤ることもある。Yariさんは自分の住む場デリバティブ関連にその臭いをかぎ取れれる。
わからない部分の多くは、想定違いにあるでしょうか。字数制限もあって正確に想定・前提を伝えないと、結論において?になってしまう。
たとえば今回であれば、売却損を出しても追加増資できるか十分な引当をつんだ健全な金融機関を前提にして議論されるとしたら、私は、巨額に損金を出したら現状から資金調達がとだえているから、救済計画だろうにと。だから使い手がいないか、清算処理を前提にする。

コメント

吉行誠 ] [2008/09/21 21:48]
日本の金融庁関係や証券業何とか関係団体は、サブプライムを証券化の開示ができていないので評価ができないとか、中身が分からないといいますが、無知にもはななだしい。官僚や関係者の注意義務違反のコメント。勉強しなさい。
この目論見書だけををみてさえ、データローンごとの開示状況でさらに不備というのか。他に募集では。computation materialが配布される。日本の証券化案件のデータ開示レベルからアメリカも同様と考えているようだ。わが国にも万一の場合に備え、各銀行にはアメリカの目論見やreportingくらいの開示を強制したいものだ。大反対でしょう。ひどい銀行は、ローン情報は秘密情報に当たるからトさえ言い出す始末。受託者ではで一部にローンごとのデータを持っているでしょうけれど。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 21:45]
記事www.doblog.com/weblog/myblog/72014/505#505
にいれたコメントhttp://www.doblog.com/weblog/Mypage.do?method=commentView&userid=72014&columnid=505&pageNo=1
neg am-option ARMの目論見書からどう評価するか。
http://www.secinfo.com/d1zj61.u11a.htm
最後十数ページの表、特に最後のloan by loanの現状のデータが元本capまでさらに詳細にわたり、オンラインで購入候補者に提供されると思えばいいでしょう。発行時には過去パフォーマンスは同質ものに限られ、ローン属性characteristics中心になる。発行後はサービサーレポートからパフォーマンス中心になるが毎月ローン属性も任意開示がある。

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[ nobinobi ] [2008/09/21 19:56]
>知られたブロガーの名前を使わずに、見知らぬ暗号名で、思考が寸断される点やら質問されたらいかがですか。

「何が分からないか、わからない」ということがあるのですよ。間違った(と吉行さんが判断される)論であっても、自分の理解の助けになるかと思ってお聞きしたのです。

FDICからWM、AIGに関するご説明、ありがとうございます。私は理解できたのではないかと思いますが、、、自分が分かっているか、わかっちゃいないかも、分かりません。

TARPについては、WM処理との関連ももちろん大事なんだと思いますが、買取価格の詳細が分からないことには、評価が難しいのではないかと。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 19:17]
一般の社債契約で、債務不履行事由EOD発生と受託者のEOD通知期間、猶予期間はどうなっているでしょうか。通常15日くらい、権利行使をまってくれれるのが雛形でしょうか。そこでthen期限の利益喪失になり、すべての元利金全額の返済の期限が到来したものとされます。(満期が10年だろうと違約があったから今すぐに返済の強制)。そして払えないと、倒産申立となります。銀行ではchap11適用でないから、FDICは自己資本2%未満で債務超過認定し、保全手続きあるいは清算手続きおく。2%は会計基準によるから何とでもといってはなんだが。
WMは一般の負債で、すでにEOD発生しており、通知が出されているのでは?余命宣告されたでしょうけれど、保全から担保でもおかない限り、個別猶予は2ヶ月ももらえないでしょう。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 19:09]
AIGは政府管轄下に置かれたとか、そんな論調が目立ちます。正しいか。
否。目的を考えれば分かります。株主の権利などどうでもいいから、GSなどをCDSやデリバティブのリスクから守りたい一心からの計略ですから、カウンターパーティ(CP)を保護する処理でなければなりませんから、倒産類似保全手続きには入れられません。そうすると結果、株主権も死なないでいきたままでオプション的価値をもちづづけ、政府融資でCPもたぶん社債権者も保護される。だから取締役の解任も株主同意がないとできない。誤解を恐れず極端にいえば、死んでないから死体解剖権が(管財人に)ない。保全手続きは死んだと認定された後の処理。だから株式は消滅させられる。AIGでは政府は死刑宣告の行使権限をもっている。不良資産購入救済計画は生存できる者だけが利用できるものかどうか。


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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 18:54]
たぶん下から時系列を逆に並べ替えて、追加補足を加えて書いても、やはり分からないでしょう。なぜなら、私には、疑問のあるひとがそれぞれ何がわからないか分からないので、答えようがないから、補足しようがないのです。
知られたブロガーの名前を使わずに、見知らぬ暗号名で、思考が寸断される点やら質問されたらいかがですか。400字という制限がありますが、説明させていただきます。400字はアルファベットも一文字なので、カタカナのほうが字数節約になることが分かりました。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 18:50]
スローガンのような長官表明と議会承認を求める説明で、財務省は何をしたいと聞こえてくるか。ここに私が懸念した基本点については、当然に議論されつくしてなお出てきた結論だと考えるべきでしょう。
WMはBBへの格下げにあい、常識的にそれ自体が債務不履行事由となる文言が入っている債務など契約があるでしょうから、すでに相手からは1~2週間程度の支払い猶予期間の一時的権利行使猶予されていると憶測します。Citiが承継してくれないならばどうするか。財務省証券を発行しようと、預金を払戻し、破綻処理でしょう。そして基金は底をついてもさらに足りないからどういう名目金で払うか。この点をどうするかも決まっているでしょう。オプションARMなんて財務省ではMODSもできないし、誰かに任せよう、といってRTC2も財務省の一機関にすぎないが。


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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 18:37]
以下説明で誤解をされないために確認。FDIC預金保険基金は分別管理された信託勘定ですが財務省の一勘定にすぎません。BIFは被保険預金x1.1%($43bn)しか積立がありません。したがって資産総額$307のWMを処理しようがない。(回収して預金の1/3がネット費用になる。)預金は保護されますから、基金が不足しようと否にかかわらず、財務省からの融資で預金の払戻し義務がある。議会承認が必要なら現状の融資枠は緊急で増額要請すればいい。費消して穴があいた基金の責任は財務省で、現在の法律では補填される保証がないと解する。したがって将来買取救済機構に不良資産を譲渡し回収をはかる予定で、政府がWMに$10bnの優先株出資する可能性はあるでしょう。保全管理下におくという意味です。すでに一部負債に債務不履行が発生し、支払い猶予されてはいませんか?

コメント

下にサマリーした点は、金融に携わっておれば、あるいは少しの理解があれば、誰もがすぐに想定(解決を求める前提とする)することであり、それを打開する対策としての計画を示すものでしょう。どれが全くできていない現実味のないスローガンというのには、どういう意味を持たせないのでしょうか。金融機関経営、資本規制を全く知らない株式市場の投資家さえ、一時的に気を紛らわせればいいのでしょうか。
今すぐに対応が必要なWMはCitiに何とか分解しないで引き取らせる方便を企てていることはわかります。その間の1週間の時間稼ぎというのでしょうか。$700bn購入したら、一体いくら資本不足というのか。RTCでは預金を保護した上で、清算過程で売却処理する機関としての清算=resolution trustですよ。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 13:10]
もう一点、財務省不良資産購入権限の立法提案§8で司法の審査の対象にできないというかってな宣言は憲法違反であり、書いてあっても無効でしょう。
下の2で、政府が資本充実規制の適用除外にするとしましょうか。誰も相手にしません。
WMはあと1週間もちますか? かりにこの法律が議会を通過していても、預金を守れない政府がこの法律でどうしますか。たぶんそのときは、対象が預金だけに、FRBがMMFのABCP償還資金をノンリコース融資するようにはいきません。社債、優先株、Alt-Aローンを担保に融資するのでしょうか。この計画は、数千億円規模の零細金融数百用ですか。信用不安はそこではなく、大手25行のうち1/3でしゅう。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 13:00]
4.経営責任とは現在サブプライムの代表訴訟で起されている取締役のフィデューシャリ忠実責任と注意義務、recklessによる数十億ドルの損害賠償請求を意味します。 
「金融システムが崩壊に向かうので」その対策といわれるが、2と3から、破綻にもかかわらず破綻させない処理ゆえ、本案こそ強制したら、金融システムを崩壊させることになる。解決策がなく、現実を前に実効性がない案を、すばらしいという判断は意味がわかりません。
現在の危急対策は、WMであり、いくつかあってWBでしょう。対応できますか?
金融と経済を熟知しているのであれば、行政制度と法のつぼを抑えているなら、全部の解決策について提案を持っていると解せますが、どこから持っているとわかりますか。


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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 13:00]
スローガンを褒め称えても、現実を前提にしたプランでなければ意味がありません。
1.ディストレストMBSファンド複数に委託して競わせれば価格の問題は市場が成立しているのでさほど異議はないでしょう。
2.売却損が出た場合、資本毀損をどうするの課題の解決策がなければ、本案は利用者がでてきないでしょう。りそなのようにして政府出資します。不足を埋めなければ市場から相手にされず、数ヶ月も持たずに淘汰され、格付けも見逃さないでしょう。
3.DESを使うというのは保全/清算手続きにおくことを意味します。破綻手続き処理です。預金を保護しないおつもりか?DIFは、数$bn程度の零細銀行には機能しても、大手25行には基金が小さくて使えません。保険コストが高くつくので大手を対象にしていない。




下で取締役の解任すると仰るが、保全手続きにおかない限り、取締役の任命、解任権は、株主権です。株式をwipe outするか、5割増資するかで権限を掌握しなければできません。
ということは、本計画案の実行は、債務超過破綻手続きにおいてすすめることを意味している。
預金払戻しも国民に説明せず、金融機関を破綻処理することが、金融システムが崩壊ではないですか。
CITIはWMの負債承継には否定的でしょう。全額カット。
そうすると銀行優先株への影響は? 資本組入れされているだけに、その影響は?

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 13:38]
WMについては、全額の預金と支店をCitiにのれん代+で譲渡する。残った資産については、持株会社か、非銀行貸付機関に移管か、そのまま銀行におき、かりにこの救済買取機関ができていれば、そこにMTMして譲渡。発生した損害は、株主、優先株、社債権者で分け合う。
この案も、保全手続きにはいっていなければ、預金の譲渡について株主の承認が必要。関係会社間の資産移転も、同様だが、障害が多そうだができないわけではないか。
WMは無理やりでもCitiに引き取ってもらい、破綻処理手続きにおかないと、今回の買取救済計画だけでは対応できない。

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[ 吉行誠 ] [2008/09/21 13:25]
基本的知識としての会社法と破産法を前提に考察下さい。
重要資産の売却と(資本を全額毀損するほどの)損失処理は、取締役会の決議だけでよいですか。
DESは、取締役会の決議だけではすみません。投資家の特別承認決議が、株主の議決権もあるでしょう。
銀行には破産手続きが適用されず、破産裁判所が受理してくれません。FDICが保全手続きにいれることになる。保全手続きに入れれば、100%減資決定も、DESも承認なくできるでしょう。
あなたは、保全手続きにいれずにやろうというのか(会計上債務超過であれば現実的に無理)、それとも多くの金融機関の預金を保護できないまま、保全手続きに入れるというのですか。

購入のfundingとして財務省証券という方法でなく、RTCのように証券化ストラクチャーして市場で値決めをさせる方法がある。他方LEHのように危急に資金が必要なとき市場で資産売却できなかったから公的売却機関を設ける動機とすれば、市場が利用できない。しかしRTCのように信託財産に対してRTCにindemnification補償とrepurchase買取義務を課せばAAAは信じられるし売れるだろうし、値決めもfairになる。そうだとすれば、債務超過銀行の破綻清算手続きとなり、預金保護と払戻しについて議論がなければ、本提案は不備。
RTCのストラクチャー(目論見書risk factor参照)


[ 吉行誠 ] [2008/09/21 17:48]
以下で価格は容易に評価できるだろうと安易なコメントを入れました。しかしCDOや一部MBSのように、債権者がモーゲージプールに直接的追求権を持たず、キャッシュフローに請求権を有し、しかもCDSを含めスワップカウンターパーティの先取権が付着するような権利関係で構成された取引では、会社であればともかく信託を構成されていれば、一部ストラクチャー経験のない金融マンが説くようにはぶっ壊すことはできません。債権者はモーゲージに直接の権利がないから、管財処理にいれても管財人にはその処分権がない。信託期間は30年。スワップがAIGなど信用が朽ちた機関が介在していればより一層評価が困難か。


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巨額損失スパイラル

ついに始まった「巨額損失スパイラル」
米国発金融危機の全真相

米国の大手証券会社リーマン・ブラザーズが破綻した。破綻は他の金融機関の損失拡大をもたらす。巨額損失の連鎖は止まらず、市場は次なる標的を探す。米国金融機関の苦境は、日本の金融機関にとっても「対岸の火事」ではない。

 市場を震え上がらせるニュースが世界を駆け巡ったのは、米国時間の14日夜(日本時間15日朝)のことだった。米大手証券会社リーマン・ブラザーズのチャプターイレブン(日本でいう民事再生法)適用申請である。

 世界各国の株価はなすすべもなく下落。15日のニューヨーク・ダウは前週末比504ドル安で引け、2001年の同時多発テロ時(684ドル)以来の下げ幅となった。翌16日、日経平均株価の終値も同605円安、3年2ヵ月ぶりの安値を付けた。

 リーマンと韓国産業銀行との出資交渉が頓挫、10日に同社が発表した再建策に資本拡充策が含まれていなかったことで、「単独での生き残りは難しい」と見られていた。実際、リーマンの株価は9月8日から12日までの1週間で8割弱も下落した。

 それでも、リーマンの行方に対して楽観が漂っていたのは事実だ。

 3月に経営が行き詰まった大手証券ベア・スターンズは、米政策当局が背中を押すかたちでJPモルガン・チェースに救済合併された。加えて、9月7日には住宅公社への公的資金注入を含む救済策が打ち出されている。

 多くの市場関係者は「リーマンもまた政策当局が仲介するかたちで救済されるだろう」と睨んでいたわけだ。

政府支援なくして動かない民間銀行
リーマン破綻で未曾有の金融不安に!?
 しかし、13日と14日の両日、大手金融機関とのあいだで断続的に重ねられた会合の席で、当局は彼らが口にした緊急融資などの支援要請を拒み続けた。

 さらには、救済先の筆頭とされていたバンク・オブ・アメリカがメリルリンチの救済合併に方向転換。リーマンと同様株価下落が続き、次に市場から退出を迫られる標的と目されていたメリルが、その前に自ら救済される道を選んだ。

 かくして支援に手を挙げる金融機関は現れず、リーマンはあえなく破綻に追い込まれ、金融システム不安が一挙に噴出した。これが一時的なパニックであれば、いずれは収まる。だが、市場の不安は当たっている。リーマンの破綻は新たな巨額損失の引き金をひく。

損失の波及経路は入り組んでいる。リーマンに融資している会社、社債を保有する会社の損失だけではない。怖いのはリーマンに対する債権が組み込まれたCDO(債務担保証券)といった“見えにくい経路”による損失だ。

 前述のとおり、ファニーメイ、フレディマックの両住宅公社が公的支援を受けたことで、両社社債の債務不履行の可能性はひとまず小さくなっている。にもかかわらず、「両社のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のほうは債務不履行になった」(中空麻奈・JPモルガン証券クレジット調査部長)のである。

 正確な数字は誰も把握していないが、両社のCDSを組み込んだCDOはかなりのボリュームに及ぶ。そこにリーマン破綻による損失が拍車をかけることになる。

 また、リーマンが組成したCDOを保有する投資家も厄介な問題に直面する。そもそもCDOのような流動性のない商品は、組成した金融機関が価格を付ける。当の金融機関が破綻してしまうと、価格が付かなくなってしまうわけだ。

 他の金融機関に値付けを頼むしか手はないが、その値付けは投資家にとって不利になることは想像に難くない。

破綻処理に伴う売却で損失が拡大
火薬庫となる「レベル3資産」の恐怖
 リーマン破綻による損失の波及経路は、まだある。リーマン関連の金融商品を通じた直接的なものではなく、余波を受けるかたちの損失拡大だ。

 今後、リーマンの破綻処理が進められる過程で、同社の保有する資産が売却されていく。その際に、これまで理論値は計算されていても市場価格が存在しなかった資産にも売値が付くことになる。

 一定の前提を置いて価格が算出される「レベル3」に分類される資産はその典型だ。売却価格はバランスシート上の評価額をかなり下回る公算が大きい。

 現にそうした例は出始めている。メリルが6月末時点で111億ドルと評価していたABSCDO(資産担保証券を資産とした債務担保証券)を7月末に売却したが、その価格は6割強の67億ドルにすぎなかった。

米国の主要金融機関のなかでメリルは積極的に簿価下げを続けてきていたほうだ。そのメリルの保有資産にしても、簿価の6割でしか売れなかったのである。

 こうした動きは、他社の資産評価に影響を与えることになる。じつは皮肉なことに、リーマンがよかれと考えてやった資産評価がアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の信認低下にひと役買っている。

 リーマンは10日に再建策と同時に発表した第3四半期の決算見通しで、保有する主要商品の期末時点での評価額(額面比)を公表した。

「その数字を基にAIGの損失額が推定されたことが同社の信認を低下させ、政府による救済に追い込まれる一因となった」(石原哲夫・みずほ証券金融市場調査部シニアクレジットアナリスト)のだ。同様のことは他の会社でも十分に起こりうる。

自己資本の数倍に及ぶ問題資産
米国主要金融機関にのしかかる「重み」
 では、損失の発生しそうな資産を、米国の主要金融機関はどれだけ保有しているのか。

 石原氏は、決算発表時の会社側の発言などから、損失の発生源となる問題資産の額を計算している。ただし、問題資産の内容については、各社それぞれ違いがある。損失発生懸念も一様ではないため、数値の単純比較は適切ではない。

 たとえば、シティグループは問題資産の自己資本に対する倍率は低くなっているが、問題資産のなかにプライムローンが含まれていない。一方、今後も損失発生比率が高いと目されるサブプライム関連商品とABSCDOの合計額は、332億ドルと同業のJPモルガンやバンク・オブ・アメリカの2~3倍に上る。

 だが、公のデータが目安になるのは間違いなく、たとえば破綻したリーマンは8月末で問題資産が自己資本の1.80倍、メリルは6月末で同2.53倍。両社が苦境にあったことを如実に示している。

 損失はいったいいくらになるのか、もっとふくれ上がるのではないか。リーマンの破綻によって、そうした疑心は否が応にも高まる。

リーマンが破綻に至った背景には、財務体質と収益力の脆弱さがあった。これまで収益源だった海外部門の売り上げも細り、「米国内の不振を海外事業の利益で補うことができなくなった」(中川隆・大和証券SMBC金融市場調査部次長)ことで、生き残りのビジネスモデルが大きく崩れていた。

 そこにダメを押したのが、同社の情報開示に対する疑いの目だった。リーマンへの不信感の高まりには、空売りで知られるヘッジファンド、グリーンライトのデービッド・アインホーン氏がひと役買ったといわれている。
 
 アインホーン氏は、リーマンの決算発表時の説明とSEC(米証券取引委員会)への提出資料(有価証券報告書)とのあいだの齟齬を繰り返し指摘していた。

 たとえば、08年第1四半期末のレベル3に分類された資産について、リーマンは3月の決算発表の席上では、8億7500万ドルの評価損が生じたと説明した。ところが、4月にSECへ提出した資料では、逆に2億2800万ドルの評価益が生じたとしていた。

 アインホーン氏がこの矛盾を突いたところ、リーマンの回答は「レベル2とレベル3とのあいだの分類見直しのため」というもの。アインホーン氏がそれだけで11億ドルも変わるとは理解できないと呆れたのも無理はない。リーマンの説明は信頼を失っていった。

 起死回生の再建策であった不良資産の売却・分離(9月10日発表)なども、こうして冷淡な視線を浴びることになったのである。

リーマンショックは日本へも波及!
金融機関も個人も「対岸の火事」ではない
 リーマン破綻はむろん、日本の金融機関にとって決して対岸の火事ではない。

 右の表を見ていただきたい。日本の主な金融機関がリーマンに対して保有する債権残高である。大手銀行から保険会社、地方銀行にまで広がっている。

 表の数字は、担保で保全されている与信も、ヘッジをかけられている取引も含んでいる。全額が損失として計上されるわけではない。ただし、三井住友フィナンシャルグループで100億円前後、みずほ信託銀行で118億円の損失が発生する模様。9月中間期の業績を押し下げるのは必至だ。

 加えて、リーマン向けの債権が組み込まれているCDOや同社が組成したCDOを保有する金融機関は日本にもある。前述のように、これらの損失は避けられない。リーマンとのデリバティブ(金融派生商品)取引からの損失も計上されると見込まれる。

 リーマン組成のCDOを保有している場合は、9月末の決算期末に値付けが間に合わないことも十分に考えられるが、そのケースでも来年3月末までには評価を確定、損失を計上することとなろう。

 日本の個人投資家にもまた火の粉は降りかかる。

 昨年夏のサブプライムショック以降、欧米の社債市場で資金調達が難しくなった主要金融機関は、東京市場でサムライ債(円建て債)の発行に奔走した。

 シティグループは7月に個人向けに社債を1000億円発行したのに続き、9月にも個人向けに3150億円発行する。同じ3年債だが、後者の利率は3.22%と前者を0.56%も上回る。それだけ信用が低下しているわけだ。

 ただでさえ欧米金融機関の信用が低下しているところに、破綻でリーマンのサムライ債が債務不履行となったインパクトは大きい。

「今後、欧米金融機関がサムライ債を発行することはかなり困難になった」(藤岡宏明・大和証券SMBC金融市場調査部次長)。現に、17日にソシエテ ジェネラルとドイツ銀行はサムライ債発行を延期すると発表した。

 最後の頼みの綱だった東京市場でのサムライ債発行が難しくなると、今後の長期資金調達に支障を来すことになる。資産売却などによる資金調達は可能だが、それは資産価格のさらなる下落にもつながる。評価損を通じて自らの首を締めることにもなりかねない。

 リーマン破綻はこうしてさまざまな経路で広がり、欧米金融機関を巨額損失のスパイラルに巻き込んでいく。リーマン破綻後、市場ではAIGの信用不安が持ち上がり、次いで延滞率の高い変動金利型の住宅ローンを主力としたワシントン・ミューチュアルの名前が挙がっている。

 市場においてはこれからもまた次なるターゲット探しが執拗に繰り広げられるのは間違いない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 竹田孝洋)

ポールソン長官の再生プランの非現実性

<再考>ポールソンの表明は具体性がなく一般的な希望に過ぎない。「不良債権救済プログラムは適切に設計され、納税者を最大に保護するとともに、最大の影響を及ぼすよう十分に大きくなければならない。究極の納税者保護とは納税者資金を重大に投資した救済計画を通じて金融システムに安定をもたらすことだ。」納税者の金を必要なだけ使ってシステム安定をはかると最も納税者の費用が少なくなると。金融界への補助金ですか。RTCでは法執行で当然に刑事罰もあった。金融システムを窒息させるという理由から値がつかないOption ARMを適切な値で買ってもらって、その処理に損失をつけた銀行らの経営者・役職者らをどうしましょう。提訴して支払い済みのボーナスの返還。背任での起訴?救済を受けた銀行の給与は$2万まで下げられますか。


流動性をなくし、信用市場を破綻、凍結してしまうような値がつかないモーゲージ商品をかいとる適正値をどう査定するかしりません。譲渡資産に虚偽表示があれば経営者責任を問う。不良ローンが現LTV=80%で借換可能とできると想定し、その価値で譲渡するとしたら、値下がり前の住宅価格によって融資された現在の残存額とその差額が損失として譲渡者に認識される。資本不足になる。FDICには預金を払い戻すDIFがないから破綻させられない。FDICを改組し、預金を他行に譲渡するか、政府が払い戻し、銀行資産を清算する。そうした銀行の役職員の責任以前に、数十もの銀行を破綻処理しなければならない。それを前提とする計画案ということでしょうか。不良資産の値を高く買うことは銀行界への利益移転で納税者が納得するか。

どのような案であれば議会を通るかは分からない。信用市場を凍結させる不良資産を除去するというのに、どういう値の評価をするのか。そもそも流動性は証券化によって、さまざまな信用補完の他、売主の表明保証、担保責任、財務制限、債務不履行事由、サービサー義務で守られている。ストラクチャーを伴わない単品ローンに値をつけるとなると、大幅割引になる。
法的根拠があいまいなままMMF償還を保証すれば、すでに基金不足で保護を受けられなくなった預金よりも安全度が高い。不良資産譲渡救済計画で損失を被りそうな銀行の預金者はセーフティネットがなくなり、不安から早くMMFに乗り換え出してしまい、さらにFRBを締め上げ、銀行破綻を早めるるだろう。


預金払戻しの必要がない状況を想定しよう。自己資本10%の銀行が総資産x2割の不良債権を元本x50%で譲渡したとする。資産は90になり、資本は全額毀損され、再資本化が必要になる。誰が9を拠出するか。りそなのように政府のおつもりか?それ以上の不良債権額かそれ未満の価格で譲渡すれば債務超過となる。通常債権者にはDESをするなり、ワラントつけるなどして債権放棄をしてもらい、かつ損益をプラスにするに見合うカットとリスケすることになる。しかし預金が相手では放棄も交換もできない。
救済処理を進めるとは、銀行を破綻処理に置くことになり、譲渡先が見つからなければ、国有化するか清算するかの処理になる。救済案賛成者は数十の銀行を緊急破綻処理を強制論者だ。無謀だが他に方法がないのかもしれない。


そこにある現実を想定せずして、プランを議論することは意味が乏しい。WBは総資産の1/4がoption ARMで、その2/3がneg amの利息繰り延べ。WMはモーゲージ銀行。さてこの2行を処理するに、預金保険をつかわず、救済譲渡により、重大な損金を出し、資本が不足し、債務超過手続き処理での債権放棄もしないので、費用負担は減らないので収支バランスが取れずにやっていけない。資金が必要なのでFRBで融資し続けるのか。少なくとも劣後社債の利払いを停止し、結果優先株の配当がとまることになる。既存の資本10で、救済譲渡でBSが80になったとき、負債は90のままか。10%の保証程度の処理で済むなら、DIFも資金はあるが、多くの銀行には余りない。どのように処理するという意味で賛成されているか、余りに一般的疑問なので答えを持っておられるだろうが、私には未だ理解できない。

サブプライムとは

サブプライム住宅ローンとは、米国の信用力の低い低所得者向けの
住宅ローンで金利が高いので、住宅ローン全体の中では目立たない
存在だったが、2000年ごろから住宅価格が上昇するにつれて利用者
が増え、それまでは住宅ローン市場全体の10%以下だったのが、06年
から07年にかけては13から15%を占めるまでに成長した。

当初の金利は低めに設定し、数年後からは高金利になる仕組みがな
いので、住宅価格の上昇で住宅の担保価値が上がれば、より低い金
利のローンに切り替えることができたからだ。

しかし、住宅価格が下落した2005年を境にして、返済延滞や債務不
履行の問題が浮上し、金利が低い2~3年は問題が表面化しなかっ
たが、2007年には表面化しだした。私Fが気がついたのは、
2007/04/11nikkeiIMFがサブプライムの焦げ付きに注意を喚起し
た記事である。

米国はノンリコール制度であるために、返済の原資とする財産(責
任財産)の範囲に限定を加えた貸付方法であるために、債務不履行
といっても、住宅から出て行けばいいだけである。このため、簡単
に債務不履行ができる。このため、ローンの焦げ付きが拡大してい
る。

このサブプライムローンも住宅ローン担保証券(RMBSもしくはMBS)
の形で証券化され、さらにそれらが債務担保証券(CDO)の形に再証
券化されて、金融商品として主に欧米の投資家、銀行、証券会社に
販売されたために、欧米全体に波及している。仏金融大手BNPパ
リバが傘下ファンドを凍結したのが2007年8月であり、数日遅れて、
米投資銀行大手ゴールドマン・サックス傘下のファンド2社も凍結
した。

2007年07月にFRB議長がサブプライム問題で金融機関の損失は12
兆円になると発言している。

そして、格付けもリスクがあるのにAAAなどと高ランクにされて
いた。格付け会社の報酬が、証券会社からの証券の格付けによって
いたことで、甘くなったと弁明しているが、いかにいい加減な格付
けをしていたかが問われ、2007年9月に米S&P社長が退任している。

2007年9月にサブプライム大手の米アメリクエストが廃業している。
このとき、その大量の債券を買ったのがシティである。また同月英
ノーザン・ロック銀行で取り付け騒動が起こり、その後同行を国有
化した。

2007年09月にサブプライム債権の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ
)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディーマック)の買い取り枠を拡
大することに米財務長官が前向きとしたが、その実施は2008年2月で
ある。この処置が、その後の2公社の危機に繋がる。

10月には米シティなど共同で10兆円規模のファンドを検討したが、
世界的に資金を集めようとしたができずに、12月には見送りをして
いる。12月には証券保障のモノラインであるアムバック救済された
が、格付けが低下して、銀行の損失が拡大した。

その後も住宅価格の下落が止まらずに現在、2008年3月にはオルトA
やプライムローンなどにも返済延滞や債務不履行が広がり、その担
保証券も急落し、2008年08月にメリルとシティはこの証券を買い戻
している。

2008年3月にはとうとう米証券大手ベアー・スターンズが危機になり
、救済のためにJPモルガンが合併した。この損失を埋め合わせる
資金供給をFRBは保証した。

2008年09月には米財務省は住宅公社への公的資金注入を発表した。
ここまでのサブプライムで世界損失118兆円に上るとIMF幹部は発
言しているが、それだけでは終わらないようだ。

今、リーマン・ブラザースの救済策を検討している。ここまでは
住宅ローンとその証券化商品や関連会社の株に閉じたが、公社対象
のデリバティブ(ほとんど金利スワップ)に波及することが確実に
なった。

金利スワップとは、資金の支払いを相互に交換する取引です。変動
金利(短期間毎に変更)の債務を持つA社と、固定金利(金利一定
)の債務を持つB社が、金利支払いを交換する取引である。

この仕組みを使って、各社の住宅ローンを保証していたが、この業
務を清算するという。しかし、JPモルガン、シティを筆頭とする
米銀のデリバティブ契約残高はことし3月末で180兆ドルを超え、そ
のうち金利関連は80%、142兆ドルである。これが金利スワップ取引
で、この固定金利への引受け手の大部分がファニーメイとフレディ
マックである。権利行使ができないような清算すると、ここでも大
規模な損失が米銀だけではなくて、世界の銀行に降りかかることに
なる。もし10%の損失が出ると、それだけで米銀だけで14兆ドルにも
なる。世界のデリバティブ取引は400兆ドルとも言われているので
、40兆ドル程度の損失が出てもおかしくない。

金融市場でのデリバティブが縮小されて、米銀の儲けの柱の1つが
なくなる。これで米銀は都合3つの柱がなくなることになる。1つ
目が担保証券、2つ目がレバレッジを効かした利益の積み上げ、3
つ目にデリバティブ取引である。

どちらにしても、デリバティブ取引に波及してきたことで、金融混
乱を拡大してきている。そして、取り返しのつかない方向に米国は
向かっている。早めの公的資金投入をしないと、徐々に金融不安が
世界に拡大しているように感じるがどうであろうか。
世界恐慌に向かうように感じて、非常に不安である。

CDS

― CDSは相対の取引であるために、GSE2社を参照するCDSの残高を推計するのは難しい。2007年末の統計で、CDS市場全体の残高は62兆ドル程度とされる。このうち約半分がインデックスで、残りがシングルネーム取引とされる。今年に入っても取引量は増加しているが、一方でTriOptima社は今年に入って8月までに市場に存在する22兆ドル(!)のインデックス取引を相殺・解約したとしている。インデックス取引のうちGSE2社が含まれるのは北米のCDX IGだけで、このインデックスに占める構成比率も125分の2であることを考えると、インデックスの構成銘柄としてのGSE2社の残高は決して大きなものはない。シングルネームでの取引の残高を推計するのはより難しいが、合計で1兆ドルという数字を鵜呑みにするのは抵抗がある。また、こちらの方がより重要なポイントであるが、ここで議論している数字はグロスの数字であり、予想損失額を計算する際にはプロテクションの売り買いをネットした数字を使うべきである。簡単に言えば、今日1億ドルプロテクションを買って、明日1億ドル売れば、市場統計の数字は2億ドルの残高となるが、実際のリスク量はゼロということである。ISDAのプロトコルは、ネットでの決済をスムーズに行なう機能も持つ。さらには、CDSはいわばゼロサムの世界であり、誰かが損をすればどこかで同じだけ得をしている人がいるわけであり、もちろん個別では大きな損失を計上する参加者が出てくることもありうるが、システム全体での損得は理論上はゼロということになる。

潜在的なリスクについて警鐘を鳴らすことは非常に重要ではあるが、この書きぶりは大げさである印象が否めない。もちろん、極端に価格の低いCheapestなどがどこかに存在していたりしたら、話はややこしくなる。当面は、Cheapestの価格がどの程度のものなのか、Auctionではどの債券がDeliverable Obligationに選ばれる(あるいは選ばれない)のかが注目される。まだまだ注意は必要である。

おそらく空前絶後と思われるが、(直前・直後の)格付けがAAA、(直前の)CDSスプレッドが38bps程度の企業にCDSのクレジットイベントが発生する展開になったようだ。

日曜日に米当局はFannie MaeとFreddie MacをFHFAのもとでconservatoryship(公的管理下)におくと宣言、当局が株式を購入すると同時に経営権も掌握することとなった。7月17日のエントリーでも書いたが、単に国が株を買うだけならおそらく問題ないが、経営権を掌握する形をとると、CDSのBankruptcyイベントに抵触するおそれがある(seeks or become subject to the appointment of an administrator, provisional liquidator, convervator….)。用語定義上はBankruptcyと判断するのが妥当と考えられるが、長銀の国有化の時と同様に、実質的に債務の履行能力は国のサポートによって高まることから、市場の混乱を避けるためにも、クレジットイベントを認定させないという市場参加者等の判断もあるかと思われた。

この日のISDAの発表によると、主要なディーラー13行は一致して今回の救済措置はクレジットイベントに該当するとの見解を示し、それに基づいて現物決済を入札によって決まる価格に基づく現金決済に変更するProtocolが用意される運びとなった。Protocolへの参加はあくまでも任意であり、クレジットイベントを認定するしないも当事者の任意であることから、世の中のすべてのCDSがイベントとなるかは定かではないが、今の流れからするとCDXインデックスを中心に相当程度のCDSにおいてイベントが認定されることが予想される。

イベントが認定されると、現金決済においても現物決済においても、例えばFannie Maeのシニアを参照するCDSであればFannie Maeの債務(おそらくFannie Maeが保証するMBSも含む)のうち、プロテクションの買い手は引渡可能債務の条件を満たすものの中で最も価格が低いもの(cheapest)を決済に使おうする。今回の場合は、国のサポートが期待できることからシニア債はcheapestでも100%近辺、劣後債でもそこそこのリカバリーは期待できるのではないかと直感的には考えられる。長期の固定債は金利が原因で比較的大きくアンダーパーとなることはあるかもしれない。昨今の金利低下状況を見れば可能性は高くはなさそうだが。ゼロクーポン債も、たとえば現時点では3億ドルまで元本が逓増していて、償還時に10億ドルとなるものであれば、イベント決済時にはあくまでも3億ドルとしてしか扱われないことから、現物決済ではおそらく問題とはならず、Auctionでは必要があれば何らかの文言上の手当てが行なわれるのかもしれない。

極端な結果になりうるのは、シンセティックCDOなどで使われることのある“固定回収率”という仕組みで、クレジットイベントが発生した場合の回収率/損失率を予め決めておくものであり、例えば取引当初に30%の回収率と決めておけば、実際のリカバリーにかかわらず70%の損失が発生することになる。また、First to Defaultのような仕組みでは、GSE以外の参照銘柄のスプレッド拡大で時価が大幅に低下している時に、GSEのイベントによって100%近辺で早期償還となるものもあるだろう。

一般的なCDSではクレジットイベント通知はプロテクションの買い手も売り手も双方が行なうことが可能であるが、シンセティックCDOやFTDのような商品においては多くの場合はクレジットイベントを通知・宣言できるのは仕組みを組成したアレンジャー側のみであることから、案件によってはクレジットイベントが認定されないか、されるにしてもタイミングが世間一般とずれてくる可能性は残る。

クレジットイベント決済にともなう事務負担は少なくなく、案件によってはやや違和感が残るような結果となるケースもあるだろうが、おそらく金融システムが大混乱を起こすようなことにはならないのだろう。「Fannie MaeにBankruptcyが認定された」というヘッドラインは、当局にとっては決して面白いものではないと思われるが、、。

むしろ懸念すべきは、GSE2社がカウンターパーティーであるスワップ契約(金利・通貨スワップ・スワップション)において、これを支配するマスター契約上でEvent of Defaultに該当して、既存のスワップ契約がすべて時価で清算され、ディーラーによるポジションのカバーでマーケットが混乱するといったシナリオであったが、これについても、7月にGSE法案が成立した際に、GSEがconservatorshipとなっただけではマスター契約におけるEvent of Defaultを宣言することはできないとの条項が作られたようで、これによってGSE2社が取り組むスワップ契約が早期終了となることはないようだ。なんとも用意周到である。

とりあえず、GSEイベント決済Protocolが受け入れられて、これに則って粛々とイベント決済が行なわれるのかを見守りたい。

2009年度の予想

これは空想的フィクションです。
実話にもとづくものでも、将来を予言するものでもありません。
それをご了解いただけ、苦情されない方だけが、以下にお進み下さい。
以下は何か営業を妨害する意図で書かれたものではありません。

2010年1月1日、貸金業の苦悩
みなし弁済の定めをなくした法律


信販・貸金業界で、今から15ヶ月先の2010年1月に何が起こったか、予想するものはいなかった。
2008年9月、Xは、貸金業者Qとの間で、金利引きなおし前の名目残高100万円、引きなおし後の実質残高40万円、2009年12月末の名目額70万円、実質で1万円の借金があった。月ミニマムペイメント3万円は、延滞なく払い続けていた。

新貸金業法をそのまま解釈すれば、2010年1月より、みなし弁済が認められなくなるので・・・・違法請求、違法受領となる。
2010年1月4日、XはQとの間で、いくら残高があり、いくら請求ができたのだろうか。
2008年、貸金業者の誰もが、70万円の残高があり、請求が認められると信じていた。

2009年初夏のこと、年末の予定される残高70万円に対して、18%の金利と元利金を請求できるというのか? 月3万円を請求し続けられるというのかという疑問がQにわいてきた。
3万円支払いのうち、2万円はみなし弁済ではないか。70万円を前提にして、年18%金利で計算した10500円が金利部分で、残り19500円が元本支払いではない。
10150円以上受け取るためには、借りたお礼としての任意弁済の承諾書が必要となるだろう。
利息150円+元本1万円=10150円を超える金額を断りなく受領すれば、違反請求となる。すでに過払い請求事件では、こうした場合、請求すれば、架空請求と裁判所は判断していた。

弁護士らは、議会が決めた国民の意思は、法律上、みなし弁済無効を承認した法律だ主張していた。
2009年12月末、監査法人により承認されていた70万円あったはずの会計帳簿は、除夜の鐘の音が終れば、ゼロになったのだ。
2010年1月、18%金利を正当な権利として請求し、受領しようとろうとすれば、2009年末に、債務が確定されていなければならない。債務不確定のまま、70万円の債務が存在することを前提に、3万円を請求し、受領したらどうなるのか。それまでの支払いについて、みなし弁済が有効であったことを認めることになってしまう。
新法は、みなし弁済を廃止したと弁護士は、声高に法と正義を主張した。グレーゾーンが廃止されたので違反すれば、刑事罰であると。
18%金利の不法でない有効な請求は、70万円に対してではなかったのだ。経営者は刑務所に行きたくなければ、1万円だけに対してしか認められなかった。
もっとも、法が任意弁済についてまで言及するものではない。Xが、任意に払っていれば、刑務所には行かなくてすむ。といって、債務が支払いで消滅したから、払う必要がないけれど支払いますかと確認書を出されて、判を押す者がいようか。信用記録を気にして。

Xのケースは一例だが、2009年12月末、名目元本が70万円あり、金利引きなおし計算して、残高がゼロ以下か過払い金が発生しているYの場合、月次支払い3万円は請求できるだろうか。みなし弁済行為が禁じられるとすれば、受領は業法上違法になるというだけでなくり、私法上も同様ばかりか、刑事規範として違法性の怖れがある。
この場合、3万円を継続して請求できるのは、引きなおし計算して過払い金が発生しておらず、3万円以上の残高がある場合に限られる。仮に30万円の引きなおし後実質残高があれば、3万円は請求できるが、18%金利が請求できるための元本額は30万円ではなく、引きなおし前の名目の70万円で計算され、債務が不確定だ。2010年1月以降、どんな元本額に対して、18%の金利が請求されても、引きなおし計算後に残高ゼロ以下になれば、任意弁済の承諾書をとらなければならなくなった。グレーゾーンを法からなくなり、みなし弁済規定保護が消滅してしまったからには。


この解釈が正しいかどうかではなかった。
法の解釈、運用は、弁護士ら、司法関係者に独占的に委ねられていた。
貸金業者の問い合わせに対して、金融庁は、行政監督機関であるとの理由から、法解釈に介入する態度は全く示すことがなかった。
2009年春になるころには、業者の回収戦略は、2009年末までに、名目元本を是が非でもゼロに近づくように回収したい動機が劇場的に働きはじめた。2008年から金利を18%に下げてしまえば回収額が減る。こうして29%に近い金利請求が多くの業者で続けられていた。


弁護士らは政府に対して、2010年1月、TVを通じて、消費者保護教育が起こされるよう促していた。
貸金業者の利用者の皆さん、貸金業者には払ってはいけません。払う必要がありません。実際の借入れ残高を確認するまではと。
2009年秋以降、金融庁に対して、貸金業者の問い合わせは日増しに増えていた。
計算処理のコンピューター対応が迫っていたからだ。
金融庁は、2009年12月初め、貸金業者に対して、12月末日時での引きなおし計算書を債務者に提出するよう業務指針を発布し、怠りなく業務することを義務付けた。
残高の確認ができる状態にするということであれば、店頭ATM表示であれば、特に通知の送付は必要がない。ATM入金の場合には、入金後に残高証明書が表示できるから、それで対応できるし、年始に通知が届いてなくても、2010年1月以降の支払いでも、実質残高を超える支払いをしようとATM入金すれば、過払い発生があることを警告をするか、受領拒絶すれば対応できる。
問題は客に認識を求めることができない銀行振り込みだった。貸金業者は、2009年までに全国支店網を半分以下にしていたので、ATM入金は1/4以下で、7割の口座は銀行振り込みだった。そのため、完済の可能性のある引きなおし後金額が5万円未満の客全員に事前通知が必要と金融庁は判断したのだ。その金額は業者の判断に委ねられた。

そこで多くの業者は、携帯メールを含むネット通信を受領した客を除き、2009年12月25日営業終了時点での残高証明を、28日午前中に郵便で発送できる体制を整えた。2010年1月3日は日曜だった。郵便は1月2日まで届かなければならない。月曜の12月28日まで営業したあとの残高では、発送が29日以降になり、間に合わない。
住所確認ができず、送付できなくて、1月余分に受領してしまった金銭は、それぞれ個別に返還しなければならなかった。

12月末仮決算を組んだとき、昨年まで70万円を承認していた監査法人は、1万円しか認めなかった。
1兆円あったはずの残高は、年を越したら4000億円になっていた。
悲惨で誤算だったのは、2008年に無担保消費者ローン6000億円相当額を名目元本の65%ほどで購入した金融機関Lだった。譲渡の方法は、残高のある債権を特定して譲渡するのではなく、会社の営業資産、負債、業務をまるごとする株式移転だった。
譲渡資産には、すでに完済された口座も、金利引きなおししたら過払い金が発生する口座も含まれていた。完済されていた貸付金は、すでに資産として消滅しているから、本来は対価をともなう譲渡の対象にはなりえない。しかし完済されていたとは、一箇月以上をかけて利息制限法適用金利を払って完済していたら、確実に過払い金が発生することを意味した。すなわち過払い金返還請求があれば、返還義務を負う偶発債務の承継を意味した。価格はそのリスクを織り込んで、7%ディスカウントして根付けされることになる。2006年、2007年、2008年の他の大手業者の開示データから、保有資産に対して5%の過払い金のうち、1/3が完済口座からの請求に対する返還であることが読み取れた。
こうしてLの買収資産は、優良で延滞なく支払い続けていた客だけに、引きなおし後の実質残高では2008年譲渡時で27%、2009年末には9%になっていた。2009年末、過払い金の発生していない債権は、全体の6割で、2010年1月には、それだけにしか正当な支払いを請求することができなかった。4割の客には、請求書が出されることはなかった。帳簿上、ゼロと評価する他なかった。2009年末までに、完済客はさらに増え、100万人に達していた。どんな消費者運動が起されようが、過払い金平均40万円として、全員が請求に来ることはないと、運動に野田聖子が賛同しないことを信じている。
買収会社は倒産手続きにおかれることになり、買収のための貸付金は、大半が回収されることはなかった。

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